マスクをするサル　正高信男2021年新潮社№414

著者は学者さんなので、霊長類学、人類学、社会学、文学など多様な視点からマスクを考えてみた。
今後、マスク社会はどうなるのか？動物間の認知とコミュニケーションを大きく変えてしまうかもしれない。マスクは人類史上、パンツにも匹敵する行動変容をもたらすのか？

■ファッション
マスクがファッションの一部となり、高級ブランドも乗り出している。そのうち、不織布のような”安物”では外に出られないセレブがいても不思議ではない。好きな人や大事な商談用の「勝負下着」ならぬ「勝負マスク」が常識になる日も近いかもしれない。
かつて下着は白が普通で、パンティというピンクや水色は商売女めいて不潔と書かれていた時代があった。マスクもかつては白が普通だったが、もはやファッションとしての地位を確立しつつある。

■口を晒すのが恥ずかしい世の中になるのか？
今まで露出が普通だった唇。それが公共の場では隠すのがマナーに激変した。歴史上、なかなかなかったことだ。
隠された部分を覗いてみたくなるのが狩猟採集民族の本能。異性を誘引するツールとして、マスクが活用されるようになる可能性が出てくるのでは？
マスクに隠蔽された身体部位に、想像力を飛翔させる感性を持つことができたなら、そこから当たらな人と人のコミュニケーションが生まれるのではないか。今までになかった形式の共同体がそこから発達する基盤が形成されるのではないかと想像する次第である。

後半は霊長類の性の話。チンパンジーとニホンザルとヒトの性交渉の形態の違い。イヌイットの自由な性の交歓など、霊長類学者としての論説がまた面白い( ´艸｀)

【感想・行動】
マスク取るのが恥ずかしいと思っている人がどんどん増えている（私はしてる方が恥ずかしい）。新しい生活様式という報道に作られた世界はどんどん現実化する。このプランでミックが終わった後も、マスクを一生する人は多いでしょう。未来をどうするのか。決めるのは私たち自身です。

#正高信男 #マスク#社交不安障害#チンパンジー#ニホンザル#イヌイット#ファッション#新しい生活様式#４C読書法#積読解消#自分軸読書#読書記録

マスクをするサル (新潮新書)

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