ねこのここねこ、ししのここじし
じゃあ、嵯峨天皇の子は子嵯峨天皇か?
そういうわけではないらしい。というか、この言葉自体に特に意味はないようだ。調べても調べても、小野篁の逸話以外にこの言葉は登場しない(小野篁の逸話を知らない方は、ぜひ調べてみてください)。どうやら、「子子子子子子子子子子子子」のために用意された、無意味な言葉であるらしい。しかし、妙に頭に残るこの言葉が、私は好きだ。
というように、意味、というか明確な存在意義のない文章って、ときにどうしようもないくらい私たちを魅了してしまうことがある。「タイムパフォーマンス」の概念に侵食されたわれわれには、メッセージ性が強く、しっかり噛み締めたくなるような歌詞を持つ曲が聴けない瞬間が存在する。
これは、誰しもそうなんじゃない?
ですから今日は、意味を持たない(ように思われる)言葉の響きがステキな曲たちを紹介したいと思う。
①フィクションフリーククライシス/UNISON SQUARE GARDEN
ユニゾンの曲には、歌詞の語呂というか響きの気持ち良さが半端じゃないものがゴロゴロある。そのなかでも、フィクションフリーククライシスは軽快なメロディーと歌詞の摩訶不思議さがたまらん。
②インターバル/ハシリコミーズ
私が最近一番「はやく売れないかな〜」と思っているバンド、ハシリコミーズ。インターバルの歌詞は、理解できそうでできない、よくわからないけど開放的な気分になれて丁度いい。
③バジリコ/パスピエ
パスピエに関してはあまり多くの曲を聴けているわけではないけれど、バジリコは私のお気に入りの一曲だ。なんだかこう、疲れたサラリーマンたちによって、淀んだ空気が蔓延する地下鉄のホームで聞きたい感じ。ジェノベーゼパスタ、好きだし。
3曲紹介したが、きっとまだまだ世の中にはわけわからん歌詞の曲がたくさんある。
6月、気が滅入るよね。4月に新しく知り合った人とはまだ仲良くなりきれないし、天気は悪いし、就活も学校も忙しいし、祝日全然ないし。
考えることが多くて疲れてしまう日には、ぜひとも自分ならではの「意味わからんけど好きなフレーズ」を見つけてほしいと思う。できれば、何かの曲の歌詞がいい。
曲なら、作業をしながら(しなくてもいい)テキトーに聴ける。だらだらとベッドから起きて惰性でメイクをする間に、人間の尊厳ってなんだっけ?みたいなことを考えざるを得ないほど満員の電車に揺られる間に、労働時間の割にあまりにも短いお昼休みに、あーもうお風呂いいや、って寝落ちる前のほんの数分間に。
とりあえず、デフォで考えすぎてしまうシーズン第一位である今の時期は、娯楽にテキトーさをプラスしよう、ということです。梅雨に刃向かいながら頑張りたい人たち、いっしょに頑張ろうね。頑張らなくても別にいい。
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