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呪われた山の日

山の日に呪われている。

4年前の山の日に富士山を登ったとき、降りで大嵐に見舞われた。時間も遅く、当たりは真っ暗だ。リュックサックに入れたはずの懐中電灯は無くなっていた。準備した日の夜、弟がカブトムシ取りに持っていって、返していなかった。街灯のない暗闇の険しい坂道を、雨風の吹き荒ぶなか降りるはめになった。

2年前の山の日には燕岳を登った。登り降りでは問題は起きなかった。が、麓と登山口をつなぐ道が封鎖され、登山口に閉じ込められてしまった。その区間に強い雨がふり、土砂崩れの危険があったそうだ。登山口に取り残された人々が警備の車で少しずつ運び出され、僕を含む一行は予定より6時間ほど遅れた0時、やっとの思いで宿にたどり着いた。

どちらも「死」のチラつく体験ではあるが、僕からすれば舐めるなよの一言である。僕がジーンズ+革靴で登る「舐め登山」を心がけてるから山の祟りを受けているのかもしれないけど。なんか「俺は不死身の杉元だ!(ゴールデンカムイ)」のマインドがある。

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今年の山の日は比叡山にした。スケジュール的に近場の山しか選べなかったための比叡山だけど、仏閣のある霊山だから「山の日の呪い」がどう転ぶかに強い興味がある。もちろんジーンズ+革靴で行った。

午前11時。叡山電鉄の八瀬駅から、ケーブルカーで半分登ったところからスタートした。ネットで調べた片道2時間半のコースだ。といってもこのスケジュールに寄り道の時間は含まれていないようで、フラワーパーク的なところを覗き、頂上の三角点を拝み、延暦寺で鐘をつき、梵字ラテとやらを飲んでいたら16時になっていた。

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さあ下山だ。ケーブルカーの最終が18時だから2時間以内に戻る必要がある。まあ行けるっしょ!

山は斜面と木々のせいか、地上よりも暗くなるのが早い。薄暗い山道にヒグラシの鳴き声が響く。風流と不気味がちょうどいい塩梅だぜとイキっていたら、遠くから雷鳴が聞こえた。やばいぜ。

やばいぜと思いながらやや早足で下山し、ケーブルカー乗り場の建物に滑り込んだところで豪雨が降り出した。ケーブルカーが徐行するほどの雨だった。徐行はしたが、ケーブルカーは無事に駅までたどり着き、僕は今年も生還した。しかも今年は被害がない!比叡山の加護か!?

山の日の呪いは間違いなく迫っていた。迫ってはいたが、逃げ切ったぞ!!!!!ざまあみろ!!!!!!!俺は不死身の宮本だ!!!!!!!!!!!!!!!!


その後、比叡山をイジるツイートをしてしまった。もう霊山の加護はないかもしれない。

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