遊戯王から学ぶフェア・トレードの重要性 5/23
遊戯王にめちゃくちゃハマってた小学4年生ぐらいのころ、駅ナカのカードショップに強い憧れがあった。家の近所にもカードショップはあったけど、駅のお店は面積が広い。品揃えもすごい。
ただ当時住んでた家は駅まで自転車で40分かかるし、たまに親に連れられてしか行くことがなかったので、小学生の僕からしたら駅はもはやTOKYOであった。駅がTOKYOならカードショップはディズニーランド(入場無料)。
親と一緒に駅に行ってその足でカードショップに入っても、親はいい顔をしない。親にとって遊戯王は紙切れみたいなもの。それが一枚千円以上とかで売られてて面白いわけがない。マジで堪能するなら一人で行くしかない。
ある日、意を決して自転車で一人、40分かけて駅に行った。遊戯王のためだけに。自宅より遥かに栄えた駅前についた僕は、頼れる大人もおらず、キョロキョロとおのぼりさんそのものであった。あ~だらだらと描写とかまでやってたら書きたいところにたどり着けないから割愛しよう。場は件のカードショップへ。
カードショップに居る時間は本当に幸せで、当時お小遣いなんか全然もらってなかったらほとんど何も買えないんだけど、「うわ、エクゾディアが5枚揃ってる!」などと見るだけで爆アガりしていた。そこにヤンキーっぽい中学生の3人組が話しかけてきた。
「遊戯王やってんの?」
「やってます!」
「なんか交換しようや」
小学生から見た中学生は大人なので、きっと凄いカードを持ってるんだろう。それが現金じゃない方法で手に入るかもしれない!最高!僕は喜んで承諾した。
相手が先にカードを見せてくれた。その中に僕がずっと欲しかったレアカードがあり、「これが欲しいです」と言った。何だったか忘れたから、ここは一旦「人造人間 - サイコ・ショッカー」ということにしておこう。
僕の手持ちを中学生に見せると、「何だったら出せる?」と聞かれた。当時の僕はフェア・トレードなんて概念がなかったから、キラカードはぜったい渡したくないという思いでこれを出した。
一応ことわっておくと「クリボー」はノーマルレアと言われていて、光ってないけど価値があるということになっていた。アニメ遊戯王の主人公も使ってるカードだし。ただのザコカードではないという建前が、一応ある。
そんな言い訳をする間もなく、中学生3人に囲まれて「舐めてんのか?」と詰められ、すいませんつって走って逃げた。マジでおっかなかった。マジでおっかなかったが、この日、僕はフェア・トレードを学んだ。取引相手をリスペクトし、お互いが納得できる適正価格を。ありがとう中学生。5歳ぐらい年下の小学生にガチで怒んなよ。
それはそれとして、事件以来そのカードショップには行かなかったし、数年後には無くなっていた。
以下投げ銭のお礼代わり、今週の昼食の感想です。
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