私の考える理想の医療

こんにちは、堀田です。
今日は僕の考える理想の医療についてお話しさせてください。

僕は、外科から形成外科に専門分野を転向したときに、先輩医師から教えてもらった「医師の説明責任」について、長年守ってきました。
その内容とは、「医師は治療法の選択肢においてすべて余すとこなく患者さんに提案し、ひとつでも説明を抜いてはいけない」というものでした。

例えば、形成外科での指先の形を整える手術の術式は、皮弁術・植皮術・エキスパンダーを使った皮膚拡張術・マイクロサージャリーを使った組織移植術・有茎皮弁術・人工真皮移植術・他家組織移植術・装具を用いたカモフラージュ・何もしない・などなど、多岐に渡ります。
これらの術式の利点と欠点、合併症、麻酔方法の違いとリスク、リハビリ期間の違い、将来の再手術の可能性について、高齢になってからのメンテナンスの有無、費用、術後の安静期間、現在の仕事(学業)に与える影響と、適切な手術時期のアドバイス、病気による現在の心理的負荷と術後予想される心理的変化など、これらのことをすべてもらさず、短時間に説明しきる。そして、患者さんに理解し、判断してもらうことが担保されないと、説明不十分により裁判で負ける可能性があるので、誠心誠意お伝えするようにと教えられてきました。

実際、4つの術式を伝えたが、残り1つの術式を伝えなかったことで裁判になり、負けてしまった事例を聞き、教えられたこの原則は医師として守るべきものであると叩き込まれました。
以前所属していた外科時代は、病名が決まると術式が1つ、多くても2つしかなかったので、このような考え方に触れたときは衝撃でした。

外科・形成外科を経験し、その後統合医療を学び、体験した結果、現在の診療では、食事・サプリ、心の整え方・漢方・気功・運動・スピリチュアル・ホメオパシー・呼吸法・瞑想・祈り・睡眠習慣・現代西洋医学の情報・カイロプラクティック・オステオパシー・ナチュロパシー・プラセボ効果・闘病中に新しい治療が解禁される可能性など、多岐にわたる分野について、長いときは2時間以上かけてもらさず説明するよう努力してきました。

しかし、病状によっては患者さんが説明を聞くだけで疲れてしまったり、一番大切なポイントは何なのかがわかりにくかったり、伝えた情報が多すぎて、患者さんが内容を覚えきれず、もう一度説明し直すこともよくありました。

このように漏らさずすべてを説明することは、本当に患者さんのために役立っているのだろうか?という疑問を持ちながらも、医師の務めとして、より分かりやすい資料作りもやってきました。

現在、クラブハウスで「がんを原因から直すことを一緒に考えてみませんか?」をメインテーマに毎日20時30分からルームを開いており、間もなく150日目を迎えようとしていますが、まだすべてを伝えきれていないと認識しています。
その理由は、がんになった最初の原因は「免疫力の低下」であり、その免疫力の低下の原因はひとそれぞれで幅広く、多岐に渡るからです。

6月最後の週に入り、クラブハウスでは、統合医療の原点である「統合医療・あなたが受けたい理想の医療は何ですか?」というテーマで話しています(6月30日までこのテーマ)。
なぜこのテーマで話しているのかという点について、少し触れていこうと思います。

私が理想としている医療は、ハワイ島にあるノース・ハワイ・コミュニティ・ホスピタルでの医療なのですが、その病院設立時の歴史について簡単にご紹介します。

ハワイ島では、1900年代から病院を作ろうという話があったそうですが、実際に病院はなかなか作られませんでした。
1977年に救急医療と、簡単なレントゲン装置のある小さな病院ができたのですが、島民の願いは、「立派な総合病院」でした。
そのための話し合いが1987年から始まり、病院ができる1996年までの9年間、地域の住民で徹底的に話し合いが行われたそうです。その時のテーマが「あなたがこの島で受けたい医療は何ですか?」でした。
そういう問いに島民が出した答えは、「最先端の西洋医学の医療機器の導入と、それを使いこなせる医師。同時に、伝統的なハワイの薬草を用いた治療や、ロミロミマッサージなどの癒しをもたらす施術。その両方から、自分たちのニーズに合わせて適宜選択できる医療。なおかつそれが、保険診療として受けられる医療」でした。

そして、1996年にノース・ハワイ・コミュニティ・ホスピタルは完成しました。

2006年、僕はその病院に訪問する機会を得ました。その時の感動については、また近いうちにブログに書きたいと思います。

つまり、一番大切なのは、地域住民が本当に受けたい医療とは何かであり、次にそれを実現する病院の設備や人員、その次にそれを維持・発展できるための経済システムである保険診療の仕組みという順番で作り上げていくものだということがわかりました。

となれば、現在クリニックで行っているがん治療も、考え方としては、患者さんが今受けたい治療は何であるかを問いかけることが土台となり、次にそれを実現するための方法、そして費用、という順番になるのが理想だと理解しています。
そのためには、今はまだない独自の健康保険システムまで提案していくことが必要であり、今後の課題であると考えています。

だから今は、患者さんの受けたい医療がどんな医療なのかを十分お聞きして、そのニーズに合わせた治療法の提案を中心にお話していくことが大切であると考えます。

あなたの受けたい医療は何ですか?
よろしければコメント欄に書き込んでくださいね。

お読みいただき、ありがとうございました😊

🌸お知らせ🌸
クラブハウス
「がんを原因から直すことを一緒に考えてみませんか?」というルームで、毎日20時30分からお話ししています。(時間は変更することがあります)。
ぜひ、あなたもお話ししに来ませんか?
お待ちしております。


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