命を尊ぶ

こんにちは、堀田です。
今日は外科時代のお話はお休みして、最近あった出来事について書きたいと思います。
 
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ある日のクリニックの終礼の最中、どこからかブーンブーンブブブブーンという音が聞こえてきました。子供の頃に聞いたことがあるような、携帯のバイブレーションのような、そんな音でした。

その直後、看護師さんがあたふたし始めました。看護師さんは蜂が窓から入ってきたと思ったようでしたが、よく見ると、それはアブでした。どうやらさっき聞いた音もアブの羽音だったようです。
 
アブは一旦天井に止まった後、天井に設置してあるエアコンの隙間に入り込んでしまいました。
 
僕は大日月地神示を読んだことがあり、それ以来、クリニックに入ってきた虫は殺さないことに決めています。
以前蜂がクリニックに入ってきた時も、ハンガーとビニール袋とクリアファイルで作ったお手製のたもで捕まえて、外に逃がしました。
 
今回も同じ作戦で行こう!とさっそくお手製のたもを作りました。
 
ですが、アブはエアコンの中に入ったきり、なかなか出てきません。
はじめはアブの羽音がしていたけれど、すっかり羽音もしなくなりました。
 
何とかしてエアコンから出てきてもらいたい、ということで、部屋を暗くしてライトをかざしてみました。光に集まってくるんじゃないかと思いましたが、全然ダメ。動く気配もありません。
 
諦めて、明日の朝までこのまま放っておこうかと思ったけれど、夜の間にクリニックの他の場所に行ってしまったら・・・などと考えると、それも大変そうです。
 
そこで、アブの習性を調べてみることにしました。
 
どうやらアブは、柔軟剤の香りが好きで、ハッカのにおいが嫌いだそうです。
 
そうしたら、偶然にも看護師さんがハッカ油を持っていたのです!
 
僕は慎重にエアコンに近づいて、ハッカ油を1・2・3プッシュしました。
 
するとアブの、ブブブ、という羽音がまた聞こえてきました。
 
しかし、しばらく経ってもアブはエアコンの外には出てきません。再び羽音も止まってしまいました。
 
今度はエアコンの中から追い出す作戦で、エアコンの1方向だけを空けて、包囲するようにハッカ油をスプレーしました。
 
その途端、なんということでしょう!
 ハッカ油をつけていない場所からアブが姿を見せました!
 
さっそくたもを近づけてみましたが、エアコンの隙間からはなかなか出てきません。
しばらくアブとのにらめっこが続きました。
 
なんとかいい方法はないかと思ったその時、掃除機で吸い出してみようとひらめきました。
 
掃除機の吸い込み口は広く、狭い隙間に入らなかったので、トイレットペーパーの芯を吸い込み口に接続して、隙間に入るよう変形させ、アブの近くまでそっと持っていきました。
 
掃除機で吸い続けること約3秒、確かに掃除機の筒に何かが通過した感触がしました。
 
急いで掃除機を持って外へ行き、ゆっくりとゴミ出し口を開けました。
開けた途端、全速力で逃げていくアブを無事見送ることができました。
 
アブを殺さずに外に出すことができて、ほんとによかったです。
生きていてくれてありがとう!

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それでは、今日の話はここまでです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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