Char/BOWWOW G2/紫 による『NEW WAVE CONCERT』が46年ぶりに再現
2023年3月13日 RELEASE INFORMATION
HOT STUFF45th ANNIVERSARY
1977年7月28日に武道館で開催した画期的なロックイベントを46年ぶりに 野音で再現
1977年7月28日、日本武道館であるコンサートが行なわれた。タイトルは『NEW WAVE CONCERT』。出演者は「紫」、「Char」、「BOWWOW」の3組で、その後の日本ロック史にとってエポックメイキングなライブとなった。とはいえ、当時は大きな話題にはならなかったのだが、だからこそこのイベントは重要な事件として記憶されなければならない。
1964年に完成した武道館は、66年のビートルズ公演を皮切りにコンサート会場として使われるようになった。72年にディープ・パープルが行なったライブはアルバム『Live In Japan』として発売され、大ヒット。武道館の名は一躍世界中に知れ渡った。その後、沢田研二や西城秀樹など日本のシンガーも武道館で公演をするようになる。しかし日本のロックバンドが登場したのは、76年のクリエイションが最初だった。日本ではまだロックバンドが活躍しているとはいいがたい状況だった。
それを踏まえると77年の『NEW WAVE CONCERT』は、異様な光を放つ。当時、洋楽ファンの間で噂になっていた沖縄の「紫」。天才ギタリストとして脚光を浴びていた「Char」。大手プロダクションが時代を先取りしてプッシュしていた実力派バンド「BOWWOW」。まだまだ発展途上のロック・アーティストが、武道館のステージに立つ。それも3アーティストが競演するというイベント形式での開催は、それまでのロックの常識から大きく外れたものだった。しかもチケットはほぼソールドアウト。音楽シーンに甚大なショックを与えたのも当然のことだった。
ジョージ紫を中心に沖縄で結成された「紫」は70年代初頭から活動を開始し、米兵をオーディエンスとして鍛えられたハードロックは、ミュージックライフ誌の投票において国内部門のグループ第1位になるなど、日本のロックファンの強い支持を得ていた。
「Char」はティーンエイジャーの頃からスタジオ・ミュージシャンとして活躍。バンド「スモーキー・メディスン」で頭角を表わし、76年にソロ・デビューを果たす。77年6月にはその後、大ヒットする「気絶するほど悩ましい」をリリースして『NEW WAVE CONCERT』に臨むのである。
超実力派ギタリスト山本恭司を擁する「BOWWOW」は75年に結成され、76年にメジャー・デビュー。77年1月には初来日したエアロスミスのオープニング・アクトとして、すでに武道館に立っていた。
これほどの背景を持った3アーティストが結集したのが、『NEW WAVE CONCERT』だった。まさに、日本のロックの夜明け前。ここから今のJ-ROCKにつながるムーブメントが始まったと言っても過言ではないだろう。
改めて1977年を振り返ってみれば、日本のロックにとって大きな転換点だった。77年10月、プロへの登竜門である「ポピュラーソングコンテスト」でグランプリを獲得した世良公則&ツイストの「あんたのバラード」は、その勢いのまま「世界歌謡祭」でもグランプリに輝き、爆発的なヒットとなる。同時期に、先の「Char」の「気絶するほど悩ましい」が大ヒット。77年10月には原田真二のデビュー曲「てぃーんず ぶるーす」がヒットして、翌年の78年になると「ツイスト / Char / 原田真二」は「ロック御三家」と呼ばれて世の中の注目の的となった。付け加えるなら『NEW WAVE CONCERT』の直後の77年8月26日には矢沢永吉がキャリア初の武道館公演を行ない、その模様はライブアルバム『スーパー・ライブ日本武道館』として発売され、伝説の名盤となる。
それでも77年はまだ、日本のロックの夜は明けていなかった。ロックバンドとして本格的な全国ツアーにトライしていた「カルメン・マキ&OZ」はこの年に解散し、ほとんどのテレビ局はロックバンドに対して冷淡な態度を取り続けていた。
その後、78年にはサザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」を、ゴダイゴが「モンキー・マジック」をヒットさせて80年代のロックシーンにつながっていく。
そして2023年、『NEW WAVE CONCERT』が再現される。出演者はもちろん「紫」と「Char」と「BOWWOW」、場所は武道館と並ぶロックの聖地「日比谷野外大音楽堂」、タイトルは『再現1977〜日本のロックの夜明け前〜』だ。国民的バンドの存在やロックフェスなど、今や音楽シーンの主役のひとつとなったロックだが、その先駆者たちが46年ぶりに顔を揃える。
1978年にスタートしたHOT STUFFは今年で45周年を迎えるが、実はその前年に行なわれた『NEW WAVE CONCERT』にはHOT STUFFのオリジナル・メンバーが関わっていた。だから45thアニバーサリー・イベントのひとつとして『再現1977〜日本のロックの夜明け前〜』を開催することには、歴史的な意義がある。そしてそれ以上に、時代を超えて集う「紫」と「Char」と「BOWWOW」にリスペクトを捧げ、日本のロックファン全員で祝いたいと思うのだ。
1976年『Navy Blue』でデビュー以降、『Smoky』『気絶するほど悩ましい』『闘牛士』等を発表。
Johnny, Louis & Char 結成、ソロと並行して、Psychedelix、BAHO での活動も行う。2009年、web主体のレーベル、ZICCA REECORDSを立ち上げる。2015年5月、還暦アニヴァーサリーアルバム『ROCK 十』を発表。2016年、ギターマガジン誌による「ニッポンの偉大なギタリスト100」にて1位に選ばれる。オリジナル楽器ブランドZICCA AXにて、2018年にFender Custom Shop より日本人初のプロファイルドモデルを発表。2020年、ギターマガジン誌投票「ニッポンの偉大なギター名盤」にて、1stアルバム「Char」が一位に選ばれる。
https://top.zicca.net/
1976年『吼えろBOWWOW』でアルバムデビュー。当時はステージトラックを使ったりKISSやエアロスミスのOAとしてのパフォーマンスが話題を呼び、80年代にはレディングフェス等、海外での活動も盛んに行い、メタリカを始めとする海外のバンドにも大きな影響を与えてきた。
メンバーの脱退により、しばらくはVOW WOWとしてワールドワイドに活躍するが、1998年にオリジナルメンバー3名で再結成。
現在は山本恭司と斉藤光浩を中心にサポートメンバーの小柳”Cherry”昌法と松本慎二を迎えてBOWWOW G2として各地でライブを行なっている。
http://bowwow-army.jp/
1970年、リーダーのジョージ紫を中心に結成。 1975年、大阪「8・8ロック・デー」に突如ゲストで登場し圧倒的なパフォーマンスで6,000人の観客を総立ちに。 1976年、「MURASAKI」、「IMPACT」をリリース。 2007年、ジョージ紫、Chibi、清正、GGの全盛期メンバーにJJとChrisを迎え再始動。「PURPLESSENCE」、「Eyes Wide Open」、「QUASAR」をリリース。
2022年、ドキュメンタリー映画「紫」が沖縄県内で公開。2023年1月より全国公開が始まった。
http://www.murasaki-okinawa.com/j/profile.html
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