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大学選びの”検索軸”は、いち大学では提案できない。脱・偏差値を進める要は合同説明会にあり!

志望校選びをするうえで、今も昔も偏差値は無視できない重要な指標です。今回、見つけたのは、この偏差値による大学選びに異を唱える大学たちによる合同説明会です。ある種の考え方を横断軸にした説明会というのが、今後あちこちで増えると、大学選びはけっこう良い方向に変わるのかも、と個人的にちょっと期待したりしています。

今回の説明会は、株式会社アスノオトという企業が主催となり、「大学の”雰囲気”だけではなく、大学が描く”未来”にも共感して、大学を選べるように」することを目的に開催するようです。大学が描く“未来”にフォーカスしているということから、説明会のプログラムのなかに、「それぞれの大学のネクストアクションの説明」というものがありました。いわゆる大学説明会で語られる内容とは異なる情報にも触れられそうですね。

この説明会でまず目を引いたのが、参加するメンツの多彩さです。今回の参加大学は合計5大学で、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部、ビジネス・ブレークスルー大学、情報経営イノベーション専門職大学、ものつくり大学、ネットの大学managaraです。

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部は今年度設立された新学部なうえ、学部での参加になります。他の4大学も、ものつくり大学こそ普通(?)の私立大学ですが、ほかは株式会社立大学や専門職大学、通信制大学と、だいぶとバラバラです。

これまでの合同説明会は、エリアであったり、女子大であったり、工学系などの学問分野であったり、受験生がその軸で情報を探しているであろう、具体的な検索軸で大学を集めていました。今回はこういった従来の合同説明会とはまったく異なる、“大学の未来軸”で、大学を集めているわけです。

“大学の未来軸”が、大学の検索軸として有効かどうかはわからないのですが、複数の大学が集まって合同説明会を開催することで、はじめてこういう検索軸があるんだよ、と高校生に伝えることができるように思います。いち大学だけがアピールしても、それはその大学の魅力や個性として受け取られるだけです。見比べて選べる状況をつくってこそ、それが検索軸だと認知してもらえるのです。

そう考えると、大学選びに新たな視点を加えるという活動は、いくつもの大学が一緒に取り組んでいってこそできる活動なように思います。そして、これはたくさんの大学が集まって、新たな検索軸を根付かせる、という動きより、今回のように少数大学が集まって新たな検索軸を提案するという活動が無数に起こることの方が望ましいように思います。いくつもの新しい検索軸が提案されると、高校生たちは、検索軸が無数にあり(すでに用意されているもの以外にも!)、その一つひとつは絶対的な指標にはならないという意識が芽生えるのではないでしょうか。大事なのは、高校生一人ひとりが自分にあった検索軸で大学を探すことです。いろんな大学が、いろんなかたちで手を組むことで、そういった状況が生まれてくるのだと思います。今回の合同説明会が、その先駆けとして大学業界に認知されれば、すごく素敵なことだと思います。

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