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香水の話

香水が好きだ。

最初につけた香水は母の香水で、カルバンクラインのエタニティだった。普段は化粧気のない母が休日に家族で出かけるときにだけ赤い口紅を塗って香水をつける姿に憧れていた。

香水をつけると身にまとう空気が一気に変わって、違う人間になったような気がする。ファッションやその日の気分に合わせてつける香水を変えるのも楽しい。

昔から鼻がよく利くほうで季節の匂いや一度行った場所の匂いは忘れなかった。記憶と嗅覚は深く結びついているらしく、今でも昔行っていた親戚の家の香りや訪れた海外のホテルの匂いがなんとなく思い出せる。

人の香りを嗅ぐのも好きだ。その人の雰囲気と香りが合っていると余計に素敵に感じるし、その人が自分自身をどう見せたいかが何となくわかって面白い。

大学で最初に好きになった先輩は黒いボトルの香水とタバコの混ざった匂いをいつもさせていて、この間まで高校生だった私はコロッとその人に心を奪われてしまった。お店で先輩のつけている香水のボトルを見かけると何となくつけてしまったりしていた。恥ずかしい思い出だ。

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普段つけている香水はジョーマローンのマリーゴールド&ジャスミンサンバックという香りで、大好きなジャスミンの優しい香りがする。大学生のバイト代には見合わない高級品なのに、お店で嗅いだ瞬間惚れ込んでその場で買って帰って今は二本目を使っている。

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スーツを着る日はエルメスのナイルの庭をつける。これは私の中で「イケメンの香り」だ。金髪碧眼のいかにもな美青年が白いシャツを着るときにつけてほしい、すっきりと爽やかな柑橘の香りがする。

先日香水のカウンセリングを受けてみたらとても楽しかった。日本では数店舗でしか受けられないらしい。好きな香りを伝えるとムエットを2本渡されて嗅ぎ比べ、どちらか一方好きな方を残していくのだ。最後に残ったのはケイトスペードのWalk on air という鈴蘭の香りの香水だった。カウンセラーさんには「化学香料が使われていない、白いお花の香りがお好きみたいですね。」と言われた。

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夜寝るときはJ SCENTという日本のブランドの「うす紅」をつける。金木犀や百合などの和のお花の香りがして、昔映画で見た花魁の姿を思い出す。

香水をつけると身なりや仕草をきちんとしなくてはいけない気がするし、どんな場でも少しホッとすることができる。付け方や量には気をつけなければいけないが、この記事を読んだ方もぜひ好みの香水を見つけてみて欲しい。

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