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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり…
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2021年5月の記事一覧

ショッピングモールはお祭り騒ぎ

ショッピングモール=日常化した祭り? 本屋を求めてとある休日、どうしても大きな本屋に行きたくなった。どうやら近隣で一番大きな本屋は大型ショッピングモールの中にあるらしい。 もうかれこれ一年近くショッピングモールには行っていない。島の生活の中では日用品はスーパーで揃う、服も買わない、本も大抵ネットで買う。おそらく網羅的に商品を取り揃えるショッピングモールを私の生活は必要としていなかったのだ。 ショッピングモールが私に話しかけてくる家具、家電、服、下着、化粧品、食べ物、お菓

甘夏とモーツァルト

「この瞬間が一番リラックスできるんですよねぇ」 フルーツ香るアロマオイルを入れた浴槽で半身浴をする。クラシックミュージックを聴きながら。画面の向こうのあの俳優は言った。彼女のことは名も知らないが、なぜかこの日は彼女の言わんとすることを真似しようという気分になった。 ただ私の家にフルーツ香るアロマオイルなんてものがあるはずもなく、とりあえずこの前もらった甘夏を湯船に放り込んでみることにした。小さな浴槽には少し図体の大きな甘夏を見ていると、オイルはあくまで人工物だろ?なんて思

眼鏡屋さんの一言で、私は眼鏡を好きになれた

たしか高校生のときだったように思う。 途端に見えにくくなった。最も父の視力が0.05以下の超近眼であることを考えると、おそらく遺伝である。ついに大学生になる頃には、眼鏡をかけていないのは寝るときくらいになった。 実はというと、私はあまり自分がメガネをかけているという自覚がなかった。というよりも、自分の中でかけていると思いたくなかったのだ。 ふと旅行先の展望台で眼鏡を外したとき、当たり前だが目の前が霞んで見えた。 「あぁ、眼鏡がなければ何も認識できないのか」 そんなことを

私のピカチュウ自転車は毎週月水金に盗まれていた

短い人生ではあるが、人に裏切られたこともなくはない。大半の裏切りは時間薬で心落ち着くのだが、一人だけどうしても忘れられない裏切者がいる。 そう、私の自転車を週3回も盗んで乗っていたアイツである。 ただアイツといっても、私は彼?彼女?の名前も知らない。とはいえ、事実としてアイツは私の自転車を盗んでいた。 私の通っていた大学には駅の近くに無料駐輪場があった。駅から大学までは歩くと25分くらい。つまり、自転車は授業にギリギリ滑り込むためには必要不可欠なアイテムだった。 異変が