マガジンのカバー画像

こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

258
日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり…
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

人間の動物化に抗うために旅に出る

究極的に不要なものにこそ、価値は宿る。 旅は人生に必要ですか?人間が人生を全うするために、必要なものは何か。 単純なところでいうと、衣食住の3つ。 現代においてはこれらに加え、医療や介護、なんなら法律や警察といった社会インフラといったところだろうか。人とコミュニケーションを取るという点においては学校もそうだろう。 ここであなたに質問です。 「あなたの人生に旅は必要ですか?」 旅は人生になくてもいい究極的に旅は人生の中に存在しなくても生きていける。いわば、旅など人生に

私は二週間を殺した

丁寧に生きること、それすなわち、日めくりカレンダーを日々めくることである。 日めくりカレンダーは、日々めくるから、日めくりカレンダーなのである。 一日一日を丁寧に生きるため、一日毎にページをめくる。丁寧に生きる人々には、名言や生きる知恵が施される。 彼らはきっと一日を謳歌し、実りある時間を過ごすのだろう。 でも、私はそんな彼らとは違い、日めくりカレンダーすらめくれないほど、怠惰な人間なのだ。 あのほんの一秒を頑張れない。 2020年12月28日。気がつけば日めくり

予想は予想外のためにある

「予想通りになるうちは、予想がまだ足りていないということです」 「なんでも思うようになると思うな」「なんでも思うようになると思うな」 こうして怒られたことはもう何回あるだろうか。もう数え切れないくらいになってしまった。 いかんせん私自身も自分の考えを伝える時に、自分の・相手の感情よりも論理や事実に焦点を当てて話してしまう癖があるので、相手からすればドライな人間に見えるのかもしれない。 例えば、話し方としては、 「このように予想すると、このような結果が想定できるので、

雑多な自分らしさを知る #2020年の推しnote

「からちゃんらしいよね」 今年島に移住してから、多くの方にそう言ってもらったように思う。 「子供のいない島に最年少で飛び込む」 きっとこの事実が私という存在を超越して、私の「自分らしさ」を生み出してくれたのだろう。 他方で、当の本人は「自分らしさ」について何かを認識できていなかった。 そのようなときに出会ったのがこのnoteである。 “なにかと一貫していた方が人からは認知してもらいやすいけれど、雑多で統一性のない部分もまた「自分らしさ」として受け入れていきたい。”

独身シャワー男も番頭に愛されたい

独身シャワー男の数少ない楽しみ。銭湯。 スーパー銭湯が跋扈する世の中となってしまったが、私は昔ながらのノーマル銭湯を愛してやまない。 つまり、私が好きなのは、いまだに刺青のお兄さんが居たり、気が付いたら相撲中継ばかりが流れているあの空間なのだ。 先日も久しぶりに銭湯に足を運んだ。今どきのスーパー銭湯とは違い、幼稚園児なら溺れ死にかねない深めの湯船につかっていると、自分の体が溶け出すように感じられる。シャワーの湯は私の体をすべり台宜しくすぐさま床に流れていくが、湯船のそれは

拝啓、AIさま。私はミスをします。

AIさまはホットコーヒー党の私に、アイスコーヒーをオススメしてくれますか? 最近、誰かに監視されている。こんな靴欲しいよなと思ってネットで検索。明くる日、facebookの広告には私好みの靴が映し出されていた。 小さい鍋を大きく使う方法を検索。明くる日、facebookの広告には一回り大きな鍋が表示された。しかも、私好みのちょっと大きな水筒まで。 誰か私のスマホをスキミングしてんじゃないの?と思ってしまうくらい、私にぴったりな商品が毎日毎日オススメされている。 AIさ

びくともしない台車を動かしてくれるのは、いつも本だった。

逃げ出したくなるような現実があるからこそ、私は本の世界に逃げ込み、本の世界を堪能することができる。 本が好きと自負するけれど西加奈子さんの『サラバ!』。長編小説を久しぶりに読み切った。 読みきったと言っても、読み終えるまでになんだかんだ2ヶ月位かかったが。 というのも、『サラバ!』を読み始めてからも、しばしば短編の芸人さんのエッセイを読んでみたり、雑誌を手に取っていたからだ。 というのは、事実ではあるがほとんど見栄であって、実際は本を読む前に早々と寝てしまう日が続いてい

だったら、下を向いて歩こう。

上を向いて歩こう。 でも、涙がこぼれるほどの情緒はない。 上を向いて歩こう。 そっか、星はにじまず煌めいているのか。 幸せは雲の上に、幸せは空の上に。 だったら、幸せそうな幸せは放っておいて、今日くらい下を向いて歩こう。 私が下を向いて居る日には、足元で草花が上を向いているのだから。 畑に自生するホトケノザ ーーー 先日畑にいると、「上を向いて歩こう」がyoutubeの自動再生で流れて来ました。その時のメモを少しだけ改編したのが今日の投稿です。 あまり気乗りしな

ド文系の私に「大切なこと」を教えてくれたのは数学だった

「余白」を楽しみ、「当たり前」を疑うということ 3/3は1?中学3年生のある日、教育実習生の男性が私に尋ねてきた。 「3/3って1やと思う?」 当たり前である。そう授業で習ったのだから。私は当然のごとく、1だと答えた。 「そしたら、1/3は少数やとなんぼ?」 0.33333....と無限に続く。ひっ算すれば、小学生でもわかることだ。 私はなぜ彼がこんな質問をしてくるか想像もつかなかった。 暗記さえできれば私は元々数学があまり得意ではなかった。なぜなら、覚えた公式や

「頑張れ」よりも「ガンバレ」を

頑張れは、「頑な」に「張れ」ということだから。 頑張らないでくださいね先日、大学院時代の後輩が手紙をくれた。文末には、 「唐崎さんもどうぞ頑張らないようにしてくださいね」 とある。私は今、野菜をネット販売しているが、それには少し手書きでメッセージを添えて発送するようにしている。 彼に送ったメッセージの内容をつぶさに思い出すことはできないが、「唐崎さんも」と書いてあるところみると、私は後輩に、 頑張らないように、という言葉を送ったのだと思う。 頑張れという言葉私は「