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小田原の現状を知る(財政)

これからの小田原の街づくりを考える時、まず必要なのはきちんとした現状把握です。これは二宮尊徳翁がかつて江戸時代にどんな課題を克服するにも行った報徳仕法の最初の作業です。
ここでは主に小田原市の財政状況をみながら、これからの小田原を考えます。

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厳しい未来の財政予測

あと2年、2022年(令和4年 H34)なると小田原の財政は赤字になり、毎年その赤字額は年々増えていくと予測されています。このグラフはちょうど平成29年南足柄市との合併構想時に使用されていたものから抜粋したものですが、この資料によれば、毎年ざっと20億円の財源不足。10年後の2030年(以下グラフではH42)には、累積収支は202億円の赤字となる予測が立てれられています。

収支

抜粋:小田原市・南足柄市「中心市のあり方」に関する任意協議会
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/345683/1-20180320145849.pdf

小田原市の財政状況は他市町村と比べて決して悪くない

ここで決して誤解しないでいただきたいのは、このような厳しい見通しではありますが、小田原市はこの問題を早期に把握し、既に継続的な行政改革に取り組んでいます。そして下図を見ればわかるように、職員人件費をはじめ公債費などの削減や維持もコントロールしており、これらが経営を圧迫する直接原因とはなっていません。全国他の市町村の決算状況と比べても上位のほうに位置しています。

180328_報徳流地方創生塾02資料【財政】-1.pdf(4)

*人件費の補足として、以下につい最近発表されたニュース、公務員年収ランキングで小田原市は16位だったようです。一応リンク貼りますが詳細確認しておりませんので各自でご判断ください。この件についてのコメントは避けます。各個人の給与もですが平均年齢・総人数等によって人件費総額は変わるものと思います。

公務員の年収」が高い自治体ランキング500
https://news.livedoor.com/%EF%BD%A2%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%EF%BD%A3%E3%81%8C%E9%AB%98%E3%81%84%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0500/article/detail/18190603/

赤字になる主たる原因は「人口減少」と「扶助費の高騰」

決して悪くないとはいえ、世の中は日々変化し、時は日々進行しています。
問題は今の取り組み方でも足りないということ。この財政赤字の問題は今のペースでは解決されないということです。
運営が難しいくなる主な原因は2つ。それは前回述べた、主に①人口減少に起因する収入減と、次回以降お伝えする②扶助費(子育て・教育・福祉・社会保障)の増大によるものなのです。★上図のオレンジ色が扶助費の拡大を示しています。ものすごい勢いです。

これからの小田原をどう経営する?

毎年収入が減る反面、支出は扶助費を中心に増えていく。こうしたなかで赤字にならないよう、市の運営(経営)をいかに行うか?採算をあわせていくのか?
A:人口が減るのは止められないとするなら、減っていく収入にあわせて支出をどう削減するのか? B:支出を減らせないなら、収入増と経費削減をあわせてどういう戦略で取り組むのか? 
この点は次の選挙戦で報徳塾が最も具体的に両候補にお聞きしたかった事でもあります。それは他の市町村と比べれば健全的な財政運営でも、下記第2次計画を推し進めても、残念ながらまだ足りないと思うからです。民間企業であればこの差(収入と支出)を埋めなければ経営が成り立ちませんが、行政だとここの着地が甘すぎるように感じます。
きちんとした財源を作らなければ手厚い住民サービスなど実行できる訳がありませんし、それで負債を重ねれば次の世代にツケを残します。
加藤さんの言う「いのちを大切にする小田原」「希望と活力あふれる小田原」、守屋さんの言う「世界があこがれるまち小田原」を実現するために、どう数字を伴って具体的にどのような政策を実現していくのかお聞きしたかったのです。
加えてここで突然発生した新型コロナウィルス騒動。行政収支も当初の予測以上に当然悪化するはずです。
町の経営者と同じように、こうした事態が起きても予想外の決算になろうとも、これに臨機応変に対応して、やり繰りしなければ、けっして目指すところには辿り着かないと思うのです。
これからの時代を担う政治家には、今まで以上に経営才覚やマーケティング能力なども必要とされているのだと思います。

小田原市第2次行政改革実行計画

現在小田原市では、こうした未来の現実に備えるべく第2次行政改革実行計画を策定し、当面平成29年度~34年度を目途に数々の削減計画を立案実行されています。詳しくは以下の資料をじっくりご覧ください。ここには今後の改善策・削減案などが具体的に掲載されており、市民サービスの受益者負担増や公共料金の見直しなど現実的な項目も書かれています。
私たち市民も何でも「だせだせ!、やれやれ!」ではダメなのです。

小田原市第2次行政改革実行計画 http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/348750/1-20180417171015.pdf

また、加えて以下参考までに直近の小田原市予算などを参考資料として添付します。口でいろいろ言うのも、この記事もそうですが、評論家的に書くのは簡単ですが、読めば読むほど、知れば知るほど、その難しさがわかります。

参考:小田原市の予算 一般会計(歳入と歳出)

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参考:小田原市の会計:特別会計

ここでは詳細書きませんが、市の予算には上記一般会計の他に特別会計という項目があります。水道・下水道・市立病院・競輪場などです。

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以下は小田原市の広報でも市民の皆さんに伝えられている、分かりやすい小田原市の財政状況です。

参考:市の財政を家計簿に例えると?

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いかがですか?
このように市のホームページには、市民にもとても丁寧にわかりやすく現在の財政状況が広報されていますので、私たち市民も、市長や市役所の皆さんに責任を押し付けるのではなく、市民みんなで今後収入が減るなら支出のどの部分を減らすのがいいか、減らさざるを得ないか考え、またその実現に際しても積極的に協力する必要があるのではないでしょうか。

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小田原が生んだ偉人、二宮尊徳翁は全ての人々が幸せに暮らすことができる報徳思想に則り、極めて緻密な調査立案に基づいた事業計画(報徳仕法)を実行して、道徳と経済の両立を図り、生涯600に及ぶ村々の再興を成し遂げました。
令和の時代は、人口が自然に増えていた、かつての時代と異なり少子高齢化が進む時代の変革期。街の収入は減り続ける中でも、子育てや福祉などはもっと充実させていかなければなりません。それには具体的に小田原の課題を抽出(CHECK・ACTION)し、具体的な政策を立案(PLAN)し、迅速に実行推進(DO)しながら、地域課題解決のためのPDCAを繰り返すことが必要なのではないでしょうか?
皆さまのアイデアやご意見などをお寄せください!また皆さんのお仲間同士で大いに議論してみてください。

*この投稿は報徳流地方創生塾 小田原特別編 実行委員会(報徳二宮神社・(株)FM小田原)が行っています。
当初予定しておりましたセミナーがコロナウィルス感染拡大防止の為中止となったことから、WEBを活用して小田原の多くの市民の皆さまを対象に配信しております。
*また、私たちは元々ライターではありませんし、現在コロナの影響も甚大に受ける中で記事の作成投稿をしています。本来あるべき丁寧な校正作業もままならないまま投稿しておりますことお許しください。万一事実と異なる内容あれば速やかに訂正・お詫び申し上げます。

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