見出し画像

大阪便り vol.14 「大阪便り」最終号です

友人知人の皆さま

前回のお便りにてお知らせしましたとおり、ようやく正式に中国への再赴任が決定しました。11月20日に出国予定です。

新天地ですが、江蘇省の泰州市という街です。
泰州と聞いて分かる方はかなりの中国通か医療関係の仕事に従事させている方くらいかと思います。上海から車で約3時間、私もこの話しが来るまで聞いたこともなかったマイナー都市ですが、前国家主席の胡錦濤の出身地ということも多分に関係しているのか、「中国医薬城 / China Medical Center」と呼ばれるメディカルクラスターが創設され医薬関連企業の誘致が進んでいます。その地区における新たなホテルの立ち上げが今回のミッションです。

現時点で泰州への国際線の空路は無くゲートウェイは上海です。今回で3度目の中国赴任となりますが、どうも上海とはよほど縁があるようです。

初めての上海生活は、入社間もない1990年代のことでした。まだまだ中国が外国人にとってあまり開かれた場所ではない時代だったと思います。娯楽も少なく地味な生活ではありましたが、その後の自分のキャリアに大きな影響を与える多くを学んだ3年間でした。

2度目の上海は、それから十余年経った2010年末。万博も開催され街は大きく変貌を遂げていました。中国の古き時代のイメージを引きずったままの自分には、急速に都市化した上海は何だかちょっと受入れ難いことが多く複雑な気持ちだったことを覚えています。自身初めてのホテル総支配人としての生活は多忙を極め、紛れもなくこれまでの人生で一番働いた時期でしたが、一方で、努力と結果のギャップに苦しむ生活でもありました。

そんな最中にスタートした初めての関西生活でしたが、当初の期待を遥かに上回る、公私共に大変充実した本当に素晴らしいものでした。程よい街の大きさ、神戸や京都といった文化の多様性、、海や山との心地良い距離感・・・・、すっかりこの街に魅了されてしまった気がします。お世辞でなく将来どこかで定住するとしたら、この街ではないかと思っているくらいです。一旦、この地を離れることになりますが、慣れ親しみ、また帰って来たいと思える街があるのはとても幸せなことです。

3年弱の大阪生活を経て、改めて彼の地に戻ることとなります。仕事の上ではリベンジでもあり、新たなチャレンジでもあります。赴任する泰州市は上海郊外とはいい難い距離感ですが、それでもやはり上海とは公私共に関係の深い生活となりそうです。上海には以前からの友人知人の方も多く、また皆様と再会できるのが今から楽しみです。

前回の海外赴任を機に、兎角疎遠になりがちな人間関係を少しでもキープしたい、現地の感覚を少しでも共有したい、という思いから始めたこのお便りですが、上海から大阪と続けているうちにかれこれ4年が経ちました。今度の街はこれまでのような都市生活に比べ、お便りに出来るようなネタも少ない土地でしょうが、地味に今後も続けていきたいと思います。もともと揚子江(長江)から南の地域は江南と呼ばれ、古くは北の皇帝たちがロイヤルバカンスに出かけた風光明媚なところでした。泰州は(揚子江より更に北に位置するため)厳密には江南とは呼べませんが、「泰州便り」ではすぐにネタ切れ必至(笑)ですから、少し拡大解釈させていただき、新たなお便りは「江南便り」とでも銘打って、また時折連絡させていただきたいと思っております。

これで「大阪便り」も最終回となります。
最後になりますが、大阪での生活に彩りを与えてくれた全ての皆様へ感謝申し上げます。大阪在勤中は、東京や上海を始め、実に様々なところから多くの方に訪ねていただきました。そうゆう時間や場所を越えたお付き合いが私の元気の源泉です。場所は変われど狭い世の中です。今後とも末永いお付き合いをお願い致します。

(この投稿は2014年11月にメールベースで友人知人の方へお送りしたものを一般投稿用に一部編集してお送りしているものです)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?