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ジム・ジャームッシュ『ナイト・オン・ザ・プラネット』について

 ジム・ジャームッシュは大学生のころから好きで、監督作品の大体は観てきたが、特に好きなのが『ナイト・オン・ザ・プラネット』である。

 映画ってのは、集中して必死に観なければならないものであるとか、観終わった後に大きな感動がなければならないとか、過去の自分の潜在意識に少なからずそういう考えがあったのだが、ジム・ジャームッシュの映画はそういうものとは違う。結構リラックスして軽く観られるし、大きな感動というよりは、じんわりと心に染みるような映画が多い。特に、本作は自分にとってその意味でとてもジム・ジャームッシュらしい映画だと感じている。

 本作はタクシー運転手と乗客の会話というパターンがいくつか集まって構成されているオムニバス映画だが(思えば、「オムニバス映画」ってのも本作が初体験だった)、それぞれ味があって面白い。

 多分、人気なのは最初のウィノナ・ライダーが出演してるやつか、最後のヘルシンキのやつじゃないかと勝手に思ってるのだが、俺が好きなのはロベルト・ベニーニが出演してるローマを舞台にしたやつだ。

 ローマのやつの何が好きって、ロベルト・ベニーニ扮するタクシー運転手の話す内容が下世話であほらしすぎるのと、その一方的で愉快な話しっぷりが最高に面白いところだ。何回観ても笑える。DVDで持ってるので、ちょっとこの後も観ようかなと思う。それくらい、軽やかに観られる。最高よ。

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