見出し画像

最近の宅録における、密室感とチープさを意識した音作りについて

 先日、くるりの「ワンダーフォーゲル」のカバーを録音し、SoundCloudにアップした。

 この「ワンダーフォーゲル」もそうだし、最近録音した数曲は、似たような音作りにしている。どんな音かというと、「密室感」を意識した音を志向している。

 なぜ密室感を意識しているか。そのためには自分にとって密室感のある音とは何かということを整理したい。

 自分にとって密室感のある音とは、1つは大学時代に安いスタジオでバンドの練習をしたとき、その練習を安いレコーダーとかで録音した、そんな感じの音だ。もちろん、安くて狭いスタジオで録音してるから、音の分離感もくそもない、全部の音が狭い部屋でぎゅっと鳴ってますみたいな、そんな音だ。しかし、自分はその音が結構好きだった。決して高級感のある良い音ではないけど、あのDIY感というか、パンクっぽい魂がこもってる感じが好きだった。実際、今宅録を行っている部屋も、四畳半の狭い部屋を宅録ができるように改造したものなので、音の響きはかなり近いものがある。狭いだけでなく、壁や天井に吸音材を貼り付け、なるべくデッドな響きが得られるように自分なりに工夫している。

 2つ目は、1つ目にかなり重なる考えなのだが、自分もそういう音のバンドが好きだったということだ。例えば、ソニックスなんかの初期のガレージパンクバンドは、狭い安っぽいスタジオでドカドカ演奏したものをそのまま録音しましたみたいなアルバムが多いと思う。あの雰囲気を、自分の録音物にも表現したいというのがある。

 付け加えるとしたら、自分が持っている安い機材や環境でも、上記のような音は再現可能ではないかと考えているからというものある。自分の今の環境では、当然だが奥田民生とかノエル・ギャラガーみたいな音を作ることは多分無理だ。奥田民生みたいな音も大好きだが、密室感のあるチープな音も大好きなんだから、ひとまずその方向性でしばらく音作りをしてみようと思う。

 といっても、もしかしたら半年後にはまた違う方向性を試しているかもしれないが、それはそれとして、とりあえず楽しく色々と試そうと思う。

 以下、自分なりに密室感を意識して録音した作品です。ぜひご視聴ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?