ヴィットリオ・デ・シーカ『自転車泥棒』について
この映画も、名作ランキングみたいなやつに結構上位に入ってくる映画だと思う。俺が観たきっかけは、確かアキ・カウリスマキが好きな映画に挙げていて、興味が湧いたことだったと記憶している。
映画の時代背景的には、第二次世界大戦後で、敗戦したイタリアの貧しい感じがある。この「貧しさ」ってのは、本作の1つのテーマだと思う。
この映画の見どころというか、すごくドキドキするのは、いざ他人の自転車をパクってやろうとする主人公の、行動に移すまでの表情だの動きだのってのがとてもリアルなところと、いざパクってみたらあっさりと見つかって、大勢に追いかけ回されて捕まえられて、しかもその様子を息子に見られてるという、なんともやるせないところだ。決して観終わって心がスカッとする映画ではない。しかし、現実ってこんなもんだと思う。すごくリアルだ。観終わってスカッとする映画もいいが、こういう映画があっていいと思う。
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