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人との関わり方についての話

先日、イベント帰りに同じ路線の女子とどこかでもう少し話しして帰ろうかとなり、私の最寄駅のファミレスでご飯することになった。

多分、今後、彼女と会うことはかなり減ってしまうだろう。それを向こうも感じていたらしく、明日仕事だけどといいつつも、21時頃から1時間半近く話し込んでしまった。

「そもそも、人のこと、どうでもいいんだよね。」とサーモンいくら丼をつつきながら私が言うと、彼女は怪訝な顔をして「そうは見えないですけど。私が見る限りでは、積極的に関わっているように見えます。」と返してきた。

「だって、人はさ、誰かと関わらないと生きていけないでしょ。」
「そうです。人は一人では生きてはいけないです。」彼女はそう答える。
「それなら、人との関わり方について、自分はこうしたいっていうのがあるんですよ」
「???」
「どうせ、人と関わるなら 実りあるものにしたいって思うから。私は関わるならどんな人であっても、できるかぎりは誠実でありたいけど、それやっちゃうと疲弊するよね」
と私が言うと、彼女は「そうですね」とポツリつぶやいた。

「入り口はみんな同じ態度で接するようにしてる。でも、関わっていくとあ、違うなってなるでしょ。それで、痛い目にたくさんあっています」と私がいうと彼女は苦笑した。

「人と積極的に接するのと人間に興味がないのは両立するんだよね。だから、私はこれからもいろんな人と関わっていこうと思うし、それに対しての諦めはないです」と言うと彼女は「私は孤独を愛しているので・・・」と返ってきた。

「そりゃ、私だって一人の時間は大事だよ。でも、誰かと関わることでしか学べないこともたくさんあって。どんなに本を読んでいたとしても、実体験しないと自分の血肉にはなりづらいでしょう。」
「それはそうです」

人は自分のことを客観視できない。けど、人と関わることで人の反応を通して、否が応でも自分が社会的にどのように評価され、どういう価値観の人には受け入れられて、受け入れられないのかも知ることができる。そこには正しいとか間違いとかはないのだけど、受け入れ難いことではある。

私はなにかをする時に、どうせやるなら、二兎を得たいと思いがち。仕事に関しても、やるなら楽しくやりたいしスキルも得たいという観点で取り組む傾向にある。趣味に関してもやるなら楽しくなきゃ意味がないし、学びも欲しいと思う。受け取るだけでなく能動的に自分からも動いて考えたいタイプなんだと思う。それは人付き合いにおいても同じ。

と思いつつ。どんなに言葉を交わしても、お互い見えている世界も価値観も違うし、言っていることをすべて理解してお互いを完璧に分かり合えることはない。まぁそれはそれでいいかなと思っている。わかっていると思うことは怪我の原因だしな、、と最近の苦い経験を思い出していた。

その後、あの女子が苦手だったと言う話題になり、彼女が
「え。でもこの間のハイキングの時、彼女も誘ってたじゃないですか?」
「それは、私とだけじゃ、つまんないかなって思ってさ」
「そうだったんですか・・・まぁ確かに3人の方が間はもちますけど」

そう、間が持つだろうかと思った時に、彼女と以前割と話が合っているようにみえたC子さんを誘ったのだ。私はその人が苦手だったのだけど。
「C子さんと以前、割と楽しそうに話してたし、気が合うかなと思って」というと「気があってたかな?」という。
「年齢近いでしょ?」「いやそんなことないですよ。5歳くらいは違うかも」
「だとしたら、私との方が年はなれてるから」
と私は自分の年齢をここで初めて彼女に暴露した。

彼女は、大人なので特にリアクションはなかったけど、こんな子供っぽい人がこの年齢なんて・・・って思ったに違いない(被害妄想)。

「私も以前、そういう気持ちがあったからわかりますが、誘ってくれたということは、私と一緒で大丈夫なんだって思うことにしました」と彼女が力強く言った。
「そうなのよね。多分、私は根本的に人を信頼していないからなんだよね」
そう、人を信じきれないのだ。これは多分、幼少時のことをずっと引きずっている。一番近い存在の身内を信じきれない、愛情を感じずに育つと人を信じることができない大人になる。
それは、とんでもなく、ディスアドバンテージだと思う。人を信頼できないというのは、トラブルのもとなのだ。

いろんな人を見ていて思うけれど、親に幼少期に愛されていた子は、自信をもって人生の問題にぶつかっていけるので強いんだよね。
じゃ、そうじゃなかった人はどう生きればいいかだけど、まずは、自分で自分を信じて大事にすることだと思う。自愛ともいうけど。
「自分なんて」をこじらせていくと、自分の意思をないがしろにするし他人も大事にしなくなる。
分かってはいたはずなのだけど、私はもう少し、人を信頼した方がいいんだろうなとは最近よく思っている。

正直、この彼女にも嫌われているんだろうなと思っていた。この時まで。会えば、割といろんなことを深く掘る話をしたりしているけれど、それは社交辞令だろうと考えて予防線を張っていたのだ。
人との距離感は難しいが、お前なんか嫌いだと言われない限りは相手は自分のことを好意的に思ってるくらいでいた方が精神衛生上よいし、人との関係性はうまくいく。

スマホをみると22時半をすぎていた。
「そろそろ、帰ろうか」と二人で席をたち会計をすませて外にでた。

彼女が「じゃ、またどこかの現場で!」と言って駅に向かうのを見送って私は自分のマンションに向かった。

今度会うのはいつになるのか、もうないのかはわからない。今のところ約束はない。
ただ、これが最後の会話になるとしても、悔いなく色々話せた日だったなと思い、少し気持ちが軽くなった夜だった。

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