見出し画像

あかんおかん?

こんばんは。
なんとなーく、心に浮かんでくることを文字にしてみようかなと思ってます。


私の母は大和撫子ちっくな専業主婦で、父は数年前に亡くなったが、ワガママで大酒飲みで昭和のミスター亭主関白。
今どきヤバいレベルの男尊女卑ウェーイで、酒の肴がないと茶碗を投げつけるアレであった。


3つ上の兄はダウン症。6つ下の弟は父の強い思い入れあって、小さい頃から野球漬けにされて勉強は後回しになっていた。


そんな家族構成の中、母はいつも献身的であった。ダウン症の兄の送り迎えをしながら、勉強がだいぶ残念な弟の心配をし、ミスター亭主関白の顔色をうかがいながら、3食の世話や毎日の掃除洗濯を完璧にこなしていた。
アンタ、それでええんかいと幾度となく思ったが、愚痴をこぼしながらも日々、忙しそうに暮らしていたので、まぁええか…と思っていた。


そんな中で育った私は、というと。
一見温厚そうなのに気の強い、激辛カルビ入りロールキャベツのような夫、

自分では手をくださずに、誰かにやらせておいて、怒られたら白目を剝いてどこかに魂を置いて説教を聞く超省エネタイプな大学生の息子、

そんな兄が怒られている様子を見て要領良く育ち、関西特有のツッコミ上手な思春期の娘(私の救いだ。嫌われたらマジで悲しい…)、

それから、可愛い可愛い癒しの猫2匹と共に暮らし、フルタイムで働いている。


母親が家族に尽くしまくっていたのを見て育ったので、私は母親業とは3食手作りで、掃除機も毎日かけて、子どもたちの持ち物もちゃんとチェックして、こうあるべし!あああるべし!という思い込みが強かった。

しかし、実際は出来ない。

やらないのではなく、出来ない、のだ。いや、怠けの部分もかなりあるか。

繁忙期を外せば夕食くらいは作れるのだが、週末の作り置き♡なんてのは、数回で飽きて力尽きたし、掃除は猫たちの毛が目についたら週末にやっとする程度。
そんな自分に罪悪感を持ってしまうことが何度もある。

私の同僚は同じフルタイムでも、きちんと食事を作り、季節行事を大切にし、子どもたちのスケジュール管理も完璧にしているのに、自分はなぜ出来ないのだろう。

休みの日には、幸か不幸か母に対する諦めなのか、子どもたちはそれぞれで遊びたいようなのでそれに乗じて、私は私でお茶を飲みに出かけたり、マッサージに行ったりして過ごすことが多い。同僚からすれば奔放な母親だ。

職場にも恵まれて、色んな苦労はあれど、そこそこ楽しくやっている。

しかし、ザワつくのだ。

前出の同僚が家族写真付きの年賀状をくれる時も、「今日はお弁当4つ作らないといけなくてね〜」って言う時も、どうしても勝手に劣等感が心のどこかに現れて、私の母親業スタイルがどこかで何かをこじらせてるんじゃないだろうか。

義母がフルタイムでバリバリ働いていた、激辛カルビ入りのロールキャベツ夫は、そんな私に言う。

「ええやんけ。手作りがそんなエライんか!?」

きっと慰めてくれているのだとは思うが、成分に激辛が入っているので、時々キレ気味に吠える。夫よ。キャベツを安々と紐解くな。もっと優しくゆーてくれ。


そうやって日々、「あかんおかんや」と自分を責めたりしているのだが、息子は言う。

「おかんは何だかんだ楽しそうやん」と。

それって褒め言葉と思って良いの?え?違う?
あかんおかんは、あかんくないおかん?
と、グルグルしながら、昔ダウンタウンのごっつええ感じの電車コントで松っちゃんが「ゴトンゴトン、おとんおかん、おじんおばん…」とやってたのを思い出したのだった。

そうして今夜もまた半額になった美味しいお惣菜が食卓に並ぶ…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?