見出し画像

V名人戦B級風組 第五局自戦記

 奏でる棋譜は無限大!鹿角ほたるです。
 風組の三局目、私にとっての3戦目の自戦記です。私ともるすこちゃんの最終戦であり、勝った方が昇級決定するといった互いに大事な一戦となりました。
 なお、配信開始し損ねて私の視点配信はとても中途半端なところから始まってますw 事故事故

 中継配信のアーカイブはこちら

事前準備

 相手のやってくる作戦が読みやすいいーんちょ(四間飛車)ややんさん(ミレニアム)と違い、もるすこちゃんは本当に読めません。ミレニアムの可能性もあるし、急戦もあります。いーんちょ戦で相振りも指していました。と言うわけで、指定局面の研究を掘り下げる準備は意味が無いと思ったので、私が苦手意識のある戦型をおさらいして最低限五分で進める手順を確認したり、野良対局で実践を少ししたりってところです。

もるすこちゃんの作戦

スクリーンショット 2021-05-10 202559

 何やら早い銀上がりですが、何気なく銀を上がって飛車を回ったその3手後に飛び上がることになります。。。

スクリーンショット 2021-05-10 202632

 55銀と出るのがもるすこちゃんの用意の作戦。あまりに早い仕掛けに対応を迫られることになります。単に66の歩を守るには67銀と引くか68飛と回るかですが、67銀には76歩と打つ手が厳しく、88角に86歩から攻められて自信がありません。なので68飛と寄ったのですが、今度は86歩から88歩で早々に桂損することに。いきなり苦戦を強いられました。
 遡って、一枚目64銀と上がったところ、または75歩と突いてきたタイミングで65歩と突くのが正しい応手のようです。個人的な好みだと、銀上がりに即突く方が良さそうです。それで角交換した後。ゆっくり駒組する展開になると思います。その方が安全でしたね。

勝負手連発

スクリーンショット 2021-05-10 205350

 局面悪いと認識していたので、勝負手気味な手を指し続けるしか無いとリスクある手を連発していました。まずはこの56歩。同銀なら55角を狙っていますが、それでも攻め駒が自玉に近づきますし、57桂の両取りも生じます。本譜も57桂と打たれましたが、55歩と銀を取って勝負。69桂成同飛78角59飛と進み、駒の損得がなくなり急所の5筋に飛車が回れてこれは勝負手が通った格好になりました。飛車側ではなく、49桂成と玉側の刑を取られた方が嫌だったと思います。

スクリーンショット 2021-05-10 211013

 直前の54歩は46銀や36角の方が少し勝ったようです。しかし、46に桂を据え44歩に54歩と設置するこの手順も悪くないと思っていました。後手からはいつでも86飛車がありますが、53の歩がいなくなるとその瞬間に75角が打てるようになることが主張。また5筋に拠点ができると、75角と先に設置すると角が終われてしまうリスクがあったのですが、拠点を生かして強襲することもできるようになります。34桂の筋はおまけで、今ここで飛んでも32玉22桂成同玉の時に55角の王手飛車が打てないと玉を逃がしただけの恰好で正直やりたくは無かったです。実際32玉は大きい手だったらしく、ソフト的にはこの後何度も推奨手に32玉が候補に挙がります。

スクリーンショット 2021-05-10 212225

 例えばこの局面や、この次の53歩成に対してもく32玉を推奨していました。32玉が急務だったようです。と言うわけで、以下の局面になり一時期に比べたらかなり持ち直したと感じていました。なお、ここでも52玉の代わりに32玉を推奨されます。金とられるから浮かびにくいですよね……

スクリーンショット 2021-05-10 212405

 攻めのラッシュをするも

 ここからは一方的に攻めます。上の図から62銀と打ち込んで、この瞬間は持ち直したどころかかなりいいのではと感じていました。同金は同桂成から53角成が受かりません。なので同飛とするしかなくてこれで飛車取れるならいいかと思ってたら机上の空論でした。44銀が粘りのある好手。評価値的には同飛と大差なかったですが、読んで無かったので焦りました。本譜は61銀成らずと取りましたが、53銀成~62金~62桂成の両王手の筋の方が勝ったみたいです。駒を取りながらの攻めになるので、切れなさそうです。

スクリーンショット 2021-05-10 213543

 玉を右側に逃がしたくないので72飛成から53飛成で左側へ追い詰めます。上図は83金と打つ手も有力で、以下71金72金同金81飛成と手順に飛車を成りつつ桂香が拾える展開ですが、本譜の方が良いと思っていたのでこの手順で。ただ、本譜の順は飛車を渡すので怖いことには変わりありません。全体的に最善を逃しながらギリギリの攻めを続ける格好になっていました。

攻め切れるか切らされるか

スクリーンショット 2021-05-10 214051

 53飛成に52金打ちと打たれた局面。ここで73歩同桂に81銀が好手順で、逃げる手は詰みがあったり、詰まなくても52竜が詰めろで入ったりとこの展開なら勝ち。取るしかありませんが83銀と打つと飛車以外で受けたときに52竜で金補充する手が利くのでこれは勝ちそうです。

スクリーンショット 2021-05-10 215108

 と言うわけで82飛が最強の受け。これ自体は読めていたのですが、対する手がわかりませんでした。飛車を取るとは思いますが、次の手をどうするか。62飛も考えましたが、斜め駒が無いので飛車を渡す分微妙なのかなと。

敗着

 竜を取られるのを嫌い指した54竜は好手だったみたいです。一見攻めが止まったように見えますが、飛車を追い返そうと53に駒を打ったら詰みがあるので内心「53歩打ってくれー!」と思ってました。

スクリーンショット 2021-05-10 215512

 53への逃走ルートがなくなったことにより詰み筋が発生。84竜に(ⅰ)83合駒は81飛から取ると一間龍かわすと尻金で詰みなので(ⅱ)72玉とかわすことになりますが、これも71金同玉に81飛~82竜~71飛成で詰み。後手玉の頓死です。終わってもなお全く生きた心地がしない対局でした。勝ちを意識したのは、本当に84竜を回った瞬間です。
 余談ですが、84竜回るまではずっと悪いと思っていたので中盤以降で常に五分以上だったこの結果は正直驚きました。

スクリーンショット 2021-05-10 221338

今期終了

VBかり結果

 最後の対局を勝つことができ、昇級が決まりました。2-1が3人並ぶ可能性もありますが、順位の差が生き来期参加することができるならA級です。一期でBに戻されることの無いように食らいついていきたいと思います。
 これにて私の第三期V名人戦はひと段落となりました。しかし、氷王戦をはじめV竜王戦やV盤王戦などのV棋戦がどんどん行われると思うので、将棋の勉強をし続け参加しながら来期を迎えたいと思います。

 今回は長くなってしまいましたが、この辺で終わりたいと思います。
 それではごきげんよう、また次の記事で。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?