見出し画像

V名人戦B級風組 第三局自戦記

 奏でる棋譜は無限大!鹿角ほたるです。
 風組の三局目、私にとっての2戦目の自戦記です。

リーグの現状

画像1

 2局終わり、私ともるすこちゃんが1勝ずつしたところ。私の昇級条件は以下の二つのどちらかを満たせばクリアという状況になりました。
・もるすこちゃんに勝つ(自力)
・私が素敵やんさんに勝ち、もるすこちゃんがいーんちょに負け(他力)
 順位の関係でもるすこちゃんに勝つと無条件で昇級です。もるすこちゃんに負けると他力ではありますが、昇級の目が残っているという状況です。
 なお、4人リーグの場合、順位一位は一勝すると残留以上が確定するので降級の心配はありません。

第二局

 第二局は将棋って素敵やんさんとの対局です。以前V竜王戦でもあたりましたが、ミレニアムVS四間飛車から相手の緩手に乗じて駒を捌いて押し切って勝ちという内容でした。内容的には緩手が無ければ五分か少し悪いくらいだと思っていた事、あと単純に私がミレニアムを相手に指すことを苦手にしていることなどあって、楽に勝てる相手ではないという認識でした。
 今回もミレニアムVS四間飛車になることは見えていたので、互いにどのような準備をするかという勝負かなと思っていました。

耀龍四間飛車

 後手番である今回の作戦は、耀龍四間飛車から53金とあがり55歩から捌く構想でした。これは、年明け頃にShodanさんが公開した動画に着想を得ています。

スクリーンショット 2021-04-04 161619

 元動画では振り飛車側が先手で玉側の端歩をつき越しています。動画では55金に対して86歩~53歩と切り返すと解説されています。その順は居飛車が良さそうなのですが、ソフトにかけると44金ととる手が有力で難しいながら五分のような展開です。

後手番の工夫

 しかし今回は後手番なので何かしら工夫が必要です。意識した点は、早めの端歩でした。

スクリーンショット 2021-04-04 162437

 Shodanさんの動画では、38玉と動いてから端歩を突いてます。突き返されなくても突きこさなければ互いにすぐに端攻めする権利が無くなった以外は元動画の図に一応合流します。正直端攻めも意識した端の突きこしなので無いのは痛いところなんですが、中央でポイント取ったり落ち着いて後手の損が緩和されればそれで帳尻あうかなといった算段です。
 そしてこちらが本当の理由で、素敵やんさんがどこまで意識していたかはわかりませんが、このタイミングなら突き返してくる可能性が高いかなという理由でした。突き返してくれれば、事実上こちらが一手得した計算になります。個人的にこの一手得が大きく、その差が以下の変化で大きな後れを取らせることができると思っていました。

一手得

スクリーンショット 2021-04-04 163405

 端歩の関係で得た一手がどこに出てくるか問題ですが、最初の画像で55歩と振り飛車側が仕掛けた局面と比べると、48の銀が一手遅れているのがわかります。57銀だと角を引くことができないので55金と出て振り飛車良さそう。そして59銀だと、銀が浮いているうえに飛車の利きにさらされています。かといって銀が取り残されていては居飛車不満なのではないか、というのが研究でした。
 以下は24歩だったり飛車が浮いたりなどあってなんだかんだで難解な変化があり、ソフトにかけても五分かなって感じですが、序盤で作戦敗けしないようにと準備していた図でした。

ド忘れ

 本譜はそうなりませんでした。相手がこの順から変化してきたわけではありません。自分が上手くこの図の直前まで誘導して想定図にくる一歩手前まできていました。しかし、序盤を準備してきたこと、中盤~終盤に時間を残す事を意識しすぎたことなどあり慢心か焦りからか、一手指し忘れた手がありました。それが、上の図でもあった74歩。のちの75角を消し、また86歩~87銀と桂頭を守られる前に75歩と攻める形を作る、55金と出る前のどこかで一回は入れておかなければいけない歩。この手を忘れた代償は大きく、著しく形勢を損ねることに繋がりました。厳密には75角に53歩と打てば耐えてはいたみたいで私も頭には浮かんでいましたが、正直打つ気にはなれず気持ちでほかの手で何とかならないかと色々考えました。しかし、結局はずるずると防戦一方になり相手の攻めを一方的に食らい潰されることにつながったのでした。

おわりに

 正直かなり不本意な負けで、負けるにしてももうちょっといい勝負をしたかったなってのが本音です。しかし、自分が悪いので仕方が無いですね。あの局面から逆転ができないのが、今の私の実力であり素敵やんさんの実力だと思います。全然アヤが作れなかった。完敗です。
 とはいえ、冒頭で述べたようにもるすこちゃんに勝てば昇級の条件だったので幸いにも自力の目が残っています。最終局はこのようなうっかりには気を付けて、いい将棋を指したいと思います。

 それではごきげんよう、また次の記事で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?