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氷王戦準決勝 vs 綾瀬綾

 前回エクトリアさんを倒して駒を進めた準決勝。相手はフリーズ将棋の考案者綾瀬綾さんです。配信の様子はこちらです。
 以下の棋譜の符号は、私が先手番なのですが綾さん視点の配信だったこともあり先後逆(見た目の右上が11)に進めようと思います。

先手番の作戦

 振り駒の結果先手になりました。と言うわけで、最強の作戦と名高いエクシスを採用し、前回同様57の地点を総攻撃の構えを取りました。

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 早々に2段跳びしていきなりやるよの体制。やはり桂馬の足は速いですね。玉が一路寄った形に対して桂を成らずで放り込むのが有力とみてどんどん行きます。

フリーズの使いどころ

 かなり悩みました。まずはこの局面の数手先

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 55同歩に14香と歩を補充して57歩と叩きこみました。ここでフリーズ(以下F)飛とするかどうかで悩みました。同銀に57桂成らずと王手で入り、同角に再度F飛で57角成としてどうか。F権を2回使ってしまいますが、どこかで受けのFを強要するF詰めろにはなってますか。ただ、57桂に38玉とかわす手もありますし、57桂に受けのFの手もあって清算がもてませんでした。そもそも、Fを使わなくていいならその方がいいのでノンFとの比較をしていました。

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 57歩はノンFで打ち55銀と出た局面。ここでF角を宣言しましたが、これがぬるくフリーズ解除の手筋の53歩が飛んできました。無視して角を取ると逆にF金の52とから詰まされてしまうので同飛と取るしかないのですが、そうなるとF権で得たのは一歩だけと戦果としてはかなり微妙。失敗した感が漂います。

勝負手の角

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 直前に綾さんが、こちらの権利だったF解除の58歩成を先受けして玉上がりしてからF飛と歩を打った局面。ここで45角と打って勝負しました。F角と46歩と突かれたらその歩は最初払えると錯覚していた(F角なので同角とできない!)のですが、正直変わる手も思いつかずF角には54飛と歩を払ってどうかと勝負手気味に決行しました。結果的にこの勝負手が通り、28金と受けさせることに成功しました。
 しかし、45角は負けていれば明確に敗着になる手でした。綾さんの正しい応手はFを使って53歩成とすることでした。こちらにFを使わせずにF詰めろをかける妙手で、次はF金の52香や飛で詰みます。こちらはFが使えないので27角成で詰ますことができず、次の詰めろを受ける適当な手がありません。しかも、このFは相手にFを使わせないことが目的なのでF解除目的の27角成は全く意味がありません。こちらに27の玉に対して王手できる駒があれば別だったんですが、無いものは仕方ありません。この局面は明確に負けでした。

確実に寄せる

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 F金と竜を作り、F詰めろをかけたところ。F解除の手筋の52歩はもちろん飛んでくるんですが、それを同竜と取って自玉は瞬間安全。次は57桂成が厳しそうです。本譜は65歩と桂を外しましたが、78角成と銀取った手がまたF詰めろ。以下はF詰めろをかけ続けて勝ちとなりました。

次は決勝戦!

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 準決勝もう一つの山は、ローラン氷王と沙久耶署長と豪華。実質決勝戦。と言うわけでどちらが上がってきても苦戦は必至ですが、いい勝負ができたらいいなと思います。

・・・ここまできたらタイトル取りたい!!!

 それではごきげんよう、また次の記事で。

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