息子の少年野球で、未熟者の私が学んだこと⑩

入団してからの土日は目まぐるしかった。
団員がまだ少ないということもあり、長男はすぐ試合に出された。
私もその試合で未経験なのにスコア付けを任され、夫は車出し、家族総出で野球の世界の一員になった。
車出しではモヤモヤすることがあった。
車を出しても、誰が乗るかを決めるのは役員の京子。
運転手の夫以外、我が家の車には誰が乗るかわからない。
子ども達の相性を考慮してか、長男が違う車に乗ることがあったり、車の数が少なければ私は漏れて試合を観に行けないこともあった。
正直、車出せない、代わりに多めに当番もやらない家庭に何故協力してあげなければいけないのだと思っていた。
みんな疑問に思わないのか。

五郎丸の妻が何故お当番に来ないのか美智子が教えてくれた。
そもそも入ってすぐから姿を見せなくなったようで、詳しくはわからないと前置きした上で話してくれた。
どうやらお当番のやり方が気に入らないらしいと。
特に、夏場、氷水に入れたタオルを監督やコーチに配り、それを回収してまた絞って差し出す、という作業が嫌だったらしい。
「私もやだー」
と、美智子は言っていた。
それは確かに好き好んでやる人は少ないだろうなと私も思ったが、そんなことで?と、思ってしまった。
まぁ、それは表向きな理由で、根っこの部分でいろいろあったのだろうなと今では思う。
それにしても、全く来なくなるのもすごい。
そのせいか、五郎丸家の子ども達は、京子と恵美子から、「水筒の中身が水なんてかわいそう。ママやってあげてないのかな。やっぱりパパだとねぇ」みたいなことを影で度々言われていた。
その時点で行っていた当番の主な仕事はそのタオル以外で、
・お茶を配る
・練習後に監督コーチにコーヒーを配る(〇〇さんはブラック、ミルクのみ、甘いのが好き、など好みに合わせる)。
・試合日に監督コーチにおにぎりを作る。
・怪我人の手当て

まだ入団して間もない私は、この時点で負の気持ちが勝っていたが、それは母親達に対してで、監督コーチ達に対しては、「ボランティアでここまでやってくださってありがとうございます」という、前向きな気持ちでいた。

そして入団して3ヵ月が経った頃、親子で試合に出るという大会があった。
出場するのは親と言っても母親で、県内で抽選に当たった様々なチームの母子が集まった。
2試合あり、3組ずつの計6組の母子が試合に出た。
最初は全員参加と言う話しだったが、気付いたら各々事情があったようで、当日にその人数になった。
私も当初は面倒なので不参加を表明したけど、半強制的に出ることに・・・。
尚、母親が不参加で試合には出ないけど、応援に来た父子達はいた(車出しのためでもある)。
今、久々にその集合写真を取り出して、見た。
子ども達は10人写っている。
何気なく現在も野球を続けている子の人数を数えた。
3人。
7人はもう、野球を辞めた。

息子の少年野球で、未熟者の私が学んだこと⑪|AH (note.com)


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