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奉仕精神を持って生きてきた

私の父は小学生の私にこう言いました。

「人の嫌がることをしなさい」

いやがらせ推奨にも見えるこの文章の本当の意味は、皆が嫌がるような億劫なことをむしろ積極的にやってあげなさいという意味です。思えば、この言葉が私に奉仕精神を芽生えさせたのだと思います。

小中学生の頃は、皆がやりたがらない給食の牛乳パックをお昼休みに洗う係を率先して行っていたし、毎日職員室に行かないといけない学級委員も担当していました。音楽の授業で使うピアニカは教室の棚に全員分がまとめておかれていて授業前には混雑していたので、全員分を配ってあげることにしました。私が始めたこの行動はクラスメイトにも伝播し、移動教室がスムーズになりました。

高校生になると、生徒会長を務めることになります。当時は、学内の面倒なことは私が引き受けて他の全校生徒が楽しんでくれたらそれでいいなあと本気で思っていたものです。周りからは社畜などと言われましたが、特に理不尽に作業させられているような気分にもならずに、生徒会顧問の元へ通いまいました。文化祭の時には、皆が楽しんでいる中ゴミ箱の処理に明け暮れましたが、それも良い思い出です。

そして、今大学ではイベント運営サークルに所属しています。イベント運営は対外的には楽しい面が目立ちますが、面倒だったり負担の大きい作業が多いのも事実です。

例えば、イベントで使うビンゴカードの買い出しです。ビンゴ中に同じ型のカードが存在してはいけないので、別の種類のビンゴカードを購入する必要があり、100均ハシゴが必須です。そのため、私は時間を見つけては100均をめぐり、900枚のカードを準備しました。
他にも、協力企業様への電話かけは緊張するということから不人気な仕事です。しかし、私はだからこそ他の人よりも割り振りを多めにしてもらって、他の人の負担を減らしたいと考えていました。さらに、代わりに電話するからには失敗はできないということで、秘書技能検定の資格も取って自信を持って電話対応できるようにしました。
また、会議中の議事録をとる作業も集中力が必要なことから担当できる人が少ない傾向にあります。そのため、1年生にも関わらず議事録担当を任されたことがありました。タイピングが遅い方だった私は一時間の会議の議事録をとるだけでヘトヘトだったのですが、自分が担当したことで司会担当の先輩を助けることができたことで、それ以降も果敢に挑戦し続けることを決めました。そのおかげで2年生の後期には得意意識を持つことができるようになり、今では会議の最初に自分から「議事録とろうか」と声掛けできるようにもなりました。

このように、私は人生の各時点で不人気な厄介ごとを自ら行ってきたのです。実は、このことは私にとってもプラスに働いています。
これらの奉仕精神は、自分の興味ではなく他人の嫌なことを基準として動いているので、自分だけだったら身につかなかったであろうスキルを身に着けることができたり、出会えなかった人に出会えたりしてきました。私は、自分の奉仕精神のおかげで多くの出会いに恵まれてきたのです。そして、このような経験に基づいた精神はなかなか薄れることはないと思います。

私はこの奉仕精神を社会人生活でも活かしていきたいと考えています。例えば、仕事をしている中では同じ部署の人との協力が必須だと思いますが、そんなときに自ら手伝えることはないかと声掛けをしたり、面倒なことを代わりに行うことで部署全体での仕事効率を上げていきたいです。また、他の企業様やお客様との応対の時には、「相手のために」を念頭においた丁寧なやりとりを行いたいと考えています。

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