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愛しくて愛しくて、虚しい

脚本家・坂本裕二の書く言葉が本当に好きだ。現代を生きている物書きの中で、彼より言葉が上手い人間なんていないじゃん、と思うくらいには。「この言い回しすごく良いな」と思って出どころを辿ると、だいたいそこには坂本裕二の名前がある。実は彼の言葉が好きすぎて、これまでの彼の脚本の中から、特に惹かれた言葉を集めていました。「台詞の収集」。ちょっと変かも。集め初めて半年くらい経った。コレクションって披露してなんぼのものだと聞いたので、どうしようもないしnoteに載せておくね。
あ、2023年6月2日、彼が脚本を書いた映画、『怪物』が公開されるみたいです。どうにかして見たいな。
それではコレクションをどうぞ~


「続編は一作目を越えられないよ」「何で?」「何でかは知らないけど」「恋愛にはときめきのピークがあるからだよ」「ときめき?」「だから人は結婚して夫婦になる。離婚は面倒くさくて、面倒くさいは全てに勝つから夫婦を繋ぎとめられる」

大豆田とわ子と三人の元夫 9話

「死んだ人のことを綺麗な思い出にして、生きてる人間傷つけて。そういうのって、ああ星が綺麗だなあって言いながら、足下の花踏みまくってる人のパターンでしょ。ねえ」

Woman 3話

「お別れじゃないよ。会えなくても、離れてない人はいるの」

初恋の悪魔 10話

「寂しくていいじゃない。// 好きだから寂しいんだよ。それを別の女で誤魔化したりなんかしたら、好きな気持ちまで誤魔化すことになるよ。」

ラストクリスマス 8話

「好きな人とは生活上気が合わない。気が合う人は好きになれない。わたし、あなたの言うことやすることには何ひとつ同意できないけど、でも好きなんですね。」

最高の離婚 7話

「よく言うのよ、判断力が足りないから結婚する、忍耐力が足りないから離婚する」//「ついでに言うと再婚するのは記憶力が足りないから」

最高の離婚 7話

「あなたといると二つの気もちが混ざります。楽しいは切ない。嬉しいは寂しい。優しいは冷たい。愛しいは虚しい。愛しくて愛しくて、虚しくなります。」

カルテット 4話

「普通何だって、自分に有利に運ぼうとするものでしょ。仕事だって、スポーツだって、囲碁だって。でも恋愛は違う。自分を有利に運んじゃいけない。一生負け続けてくれる人が最高の恋人だもん。」

大豆田とわ子と三人の元夫 6話

「何でこんな人選んだの?って言われるような人こそ、いちばん好きな人なんじゃない?」

初恋の悪魔 2話

「すごくいい話だと思う。でも、いい話って時々人を殺すんだよ。」

問題のあるレストラン 2話

「悲しいとかじゃないの。苦しいとかじゃないの。だって負けてるんだもん。浮気はやめてとか嘘はやめてとか、負けてる方は正しいことばっかり言って責めちゃうんだよ。正しいことしか言えなくなるんだよ。正しいことしか言えなくなると自分が馬鹿みたいに思えるんだよ。」

最高の離婚 6話

「あのね、あんまりお庭好きになっちゃうと、また引越しする時寂しいでしょ。だから今迷ってんの。好きになるかどうか。」

Woman 6話

「キスしちゃったらダメですよ。いつキスしてもおかしくないぞの距離をつくるまでが女の仕事です。ペットボトル1本分の距離を保ってください。」

カルテット 3話

「ずっと、ずっとね、思っていたんです。わたし、いつかこの恋を思い出して、きっと泣いてしまう。って。わたし、わたしたち今、かけがえのない時間の中にいる。二度と戻らない時間の中にいるって。それぐらい眩しかった。」

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 5話

「好きだってことを忘れるくらいいつも好きです」

カルテット 8話

「もう、ひとりは嫌なんだよ。限界なんだよ。誰かに頼りたいんだよ。守ってもらいたいんだよ。」「人の孤独を埋めるのは、愛されることじゃないよ。愛することだよ。」

大豆田とわ子と三人の元夫 9話

「人生には、後から気づいて間に合わなかったってこともあるんですよ。」

カルテット 2話

「缶詰が発明されたのは1810年なんですってよ。で、缶切りが発明されたのが1858年。おかしいでしょ。でもそういうこともあるのよ。大事なものが後から遅れて来ることもあるのよ。愛情だって、生活だって」

最高の離婚 7話

「いいんです 私には片思いでちょうど。行った旅行も思い出になるけど、行かなかった旅行も思い出になるじゃないですか。」

カルテット 8話

「恋愛ってさ衣食住の順番でくるの。恋愛は最初は着るものなの。で次に恋愛は食べるものになって、最後に住むものになるの。私もう着る恋愛はいらないの恋は食べるの」

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 2話

私は新しいペンを買ったその日から、それが書けなくなることを想像してしまう人間です。誰にとっても特別な存在になれないのなら、初めからそのつもりで付き合えばいい。そうして出会ったのが今の恋人なんです。何も期待せず、望まずにいられる関係。朝起きるとまず今日一日を諦めます。だけどきっと、まだ心の奥のところで諦めが足りなかったのでしょう。// だけどいつでもあなたと別れられるように、夢から覚められるように保険をかけていたんです。でも、もうそれもやめにします。// 買ったばかりの新しいペンで、思う存分あなたをすきだと綴りたい。

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 3話










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