似たものどうしの再会
先日、約一年半ぶりに友人と再会した。
去年3月にわたしが引越しをしてから、念願の初帰省をするにあたり、連絡をした。
3日間の休日をもぎ取り、しっかり家族とも団らんして2日目の夕方から友人宅にお泊まりさせてもらった。
お互い連絡がまめな方ではなく、LINEも必要最低限しかしないため、最後に会ってからの友人の生活はほとんど知らない。
わたしは緊張していた。
もしかしてだけど、たぶんないけど、万に一つだけど、わたしが知る友人と全くの別人になっていたらどうしよう。会ってない間に新しい交友関係ができて、新しい価値観がうまれて、遠い人になってしまっていたら寂しい。
心の底から気を許せる友人のひとりなのだ。
こっそり不安になりながら待ち合わせに向かう。
結論から言うと、全く!変わっていなかった。
わたしの緊張と不安は取り越し苦労であった。
少し話しただけで前回会った一年半前がこの間のような気さえしたし、実際そんな口振りになっていたと思う。
彼女の部屋のドライフラワーは前回見たときよりも色褪せていたけれど、彼女とわたしはなにも変わらないふたりのままだった。
わたしたちはお互いが内向的な人間だと理解している。
休日は人と過ごすよりもひとりでいる時間の方がずっと多いし、ひとりで映画も観に行く。
「だからこうして朝から晩まで一緒にいるってけっこうすごいことだと思う」と言ってみた。
彼女は同意し、他愛無い話は続行する。
その数十分後に
「考えてたんだけどさ、さっき言ってた朝から晩まで〜の話って本当にそうだなって思ったよ!」
と改めて言ってくれた。
どうやらずっとこの数十分間、わたしの言葉は彼女の中で咀嚼され続けていたらしい。
このひと、好きだなぁと改めて思った。
「こうして話していると自分が内向的な人間だって忘れる」
と彼女が何気なく言った。全くの同意見だ。
彼女に会うと普段は出てこない自分が顔を出し、弾んだ会話は止まることを知らない。
今はなかなか会えない距離にいるけど、いつかは毎週お茶できるような気軽に会える距離にいたいとひっそり思っているのは内緒だ。
それが何年後、何十年後になるのかは分からない。
おばあちゃんになるまでには叶えたいな、と悠長にかまえていても彼女は笑ってくれるような気がする。
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