中村選手のヒーローインタビューから感じたこと
結果と責任と批判
「バッテリー、バッテリーとよく言われるので、シーズンを通してなんとか見返してやりたい。」
先日4月15日のスワローズ対ベイスターズの試合後のヒーローインタビューで中村選手が述べた言葉だ。
スワローズはここ数年間、つねに投手が課題だと言われ続けてきた。
神宮という他の球場と比較すると狭い球場を本拠地にしていることもあり「野手陣は良いから、投手陣がもうちょっと頑張れば、、、」と評論家や解説者も口を揃えて言っている。
もちろん、ピッチングはピッチャーとキャッチャーで組み立てていくものであるので投手陣の成績が悪いのはピッチャーの責任だけでなく、リードするキャッチャーやバッテリーコーチなどにも責任がある。
そこで、数年前から槍玉に上げられることが多かったのが正捕手をつとめる中村捕手だ。
中継を見ていると、解説者が中村選手のリードに苦言を呈していることが見受けられた。
いつしか一部のスワローズファンの中では、ピッチャーが打たれるのは「中村選手のリードが悪いからだ。」と思っている人が現れたように感じる。
レギュラーを取る前は強打の捕手と言われていたが、レギュラーを獲得してからは、打撃でも思うような成績が残せず、リードだけではなく、凡打した際にも他の選手と比較すると批判が多かったように思う。
徐々に批判はエスカレートしていき、なかには#swallows のタグをつけ、誹謗中傷と捉えられるような発言をしたり、個人的に中村選手だけを攻撃するようなアカウントさえも存在していた。
僕たち、多くのファンは試合の「結果」でしか選手を判断できない。
これはスポーツだけに限ったことではないが僕たちは結果が伴わないものに対しては「責任」を求める。
これがスワローズの場合、中村選手に向かっていたのだろう。
ファンたちもスワローズが好きだからこそ、チームの負けが続いたらイラつくだろうし、自分だってモヤモヤした気持ちになる。
しかし、そこでそのイライラを過剰な批判としてSNSという土俵で公開することは避けなければならない。
選手達は僕たちファン以上に悔しい思いをしているだろうし、ファンに言われなくともチームの「結果」に満足していないはずだ。
ファンができることは「批判」でも「指導」でもなく「応援」しかない。
中村選手はヒーローインタビューの中で「いつも叱咤激励していただきありがとうございます。」と言っていたが、この言葉から察するにやはりファンの発言の一部は目にとまっているだと思う。
今回、中村選手は「叱咤激励」という濁した言葉を使っていたが、これには過剰な批判ももちろん含まれているだろう。
選手ももちろん僕たちと同じ一人間なのだから、批判や誹謗中傷をされたら誰だって不快なはずだ。
どちらかというと今までの中村選手は内に闘志を秘めるタイプだと感じていた。悔しさや嬉しさなどの感情はあまり表に出ていなかったように思う。
しかし、昨年は開幕戦の事前練習で離脱してしまいとても悔しい思いをしたこともあるのか、今年にかける思いは並々ではないのだろう、今年の中村選手は闘志や感情がとても表に現れているように感じる。
今回のヒーローインタビューと今年の中村選手の闘志溢れるプレーからは何かを感じるファンはいるだろう。
もちろん僕もその一人であって、今こうやってnoteに書き込んでいる(笑)
「SNSをする暇なんかあったら練習しろ。」という言葉
話は少しだけ変わってしまうが、
「SNSをする暇なんかあったら練習しろ。」
という言葉は、結果が伴っていないプロのスポーツ選手がSNSを更新した時にリプライ欄でたまに見かける言葉である。
一般の社会人や学生になぞらえて考えてみれば、仕事や勉強が終わってSNSを更新している時に「仕事しろ、勉強しろ」と言われているようなものだと思う。
プロのスポーツ選手という実名でSNSをやっている人たちに対して匿名の人たちが批判するという光景は、スポーツ選手だけでなく様々な有名人に対して見られることだろう。
僕個人としては、常に「結果」が伴っていないといけないスポーツ選手にとってSNSという土俵はアンフェアな場所であるように感じている部分もあるし、だからこそSNSをやらない選手たちは多いのではないだろうか。
僕たち一人一人のファンの意識が変わらないといけないと思うが、中村選手の言葉は僕たちにそれを気づかせてくれる発言であったことは間違いない。
村上選手や山田選手、青木選手といったスーパースターがいて、彼らに着目する人たちが多い中、これからもツバメのキーマン中村選手に注目していきたい。
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