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キングオブコント2021 感想 〜最強コント師わからせ大会〜

面白かったな!!!!

コント最高!!お笑い最高!!お笑いはこんなに日々進化してるのに俺ときたら...

(以下、ネタバレというか全部見た人が読む想定です)



全体の感想

・全組面白かったですね!ウケてましたね!

・「過去最高レベルの大会だった」という声をちらほら見かけますが、例年1,2組はいる「ちょっと調子出んかったんかな〜」という組がいなかったように感じたので、その点では「確かにそうだな〜」と思います。

・Twitterとか見ていても、ホントもう好みでしか差が出ないくらいに『それぞれの山のテッペンが集結している』様相で、だからこそ、それら全てを圧倒的パワーでねじ伏せた空気階段がいてくれて本当に良かったなと思います。

・2〜10位の順位には皆それぞれ納得いかない部分はあれど、今回の空気階段の優勝に文句ある人はほぼいないんじゃないかな〜〜ってくらい。野田クリが反省会で「あそこまでわからせられるともう清々しいですね」みたいに言っていて、それもそうだろうなと思った。

・過去最高得点だから〜 全組の平均点が過去最高だったから〜  とかは個人的には別にあんま意味ねーなーと思ってます。

・体操競技みたいに明確な採点基準があるわけではなく、あくまで相対的な順位づけのための指標だし、そもそも今年から審査員ごっそり変わってるしね。


・一新された審査員も、めちゃくちゃ良かったですね。

・前が良くなかったというわけではないですが、なぜ高得点をつけたのか、つけなかったのか、の理由を簡潔に腑に落ちるように述べていて、見ていてとても気持ち良かったです。

・『一番面白かったのは空気階段だけど、他の好みはバラバラ』というのも、今大会の特色と民意がよく反映されていて、「キング」を決める大会としてはこれ以上ないバランスの取れた良い審査だったんじゃないかと思います。



点数をつけてみました

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「うわ!!素人が審査員気取って点数つけてる!!!!サムっ」


・的な気持ちもわかるんですけど、まあ別によくないですか......?

・『上から目線で点数をつけてやってる』というよりは、「こっちよりこっちの方が面白かったな〜 好みだな〜」というお話をするための符号でしかない気持ちなので...

・ましてや今大会は、人それぞれの好みによって2位も10位もひっくり返るような超一流豪華バイキングな大会だったと思うので、イチ素人の感想とか順位づけにもかなり興味があるんですよね。「あ〜〜〜なるほどそういうのが好きな人な...」「いや〜〜〜〜わかるわお前とは仲良くなれそう...!」っていう。

・なので点数も載せるし、なんてことない感想もつらつらと並べていこうかと思ってます。

・左が出番順、右が1本目の点数順にソートしたものです。

空気階段 ... ヤバい
男性ブランコ、ニッ社 ... めっちゃ好き
蛙亭、うるブギ、マミィ、マヂラブ ... 好き
ジェラードン、そいつ、ニューヨーク ... 好きな人は好きそう

・ざっくり分けるとこんな感じで、毎回審査員の点が出る前につけてたんですが、特に「ここの点変えたいな〜〜」とかはないですね。

・いや、、全組3点上げたいかもな... 気持ち的には。そうするとすごいしっくりくる。



・はい、ここから、各組に対する感想が、はじまります...!

(あと6000字です)


①蛙亭

・「緑色のドロドロを吐き出す」というつかみ、反則すぎるだろ...

・9割9分悲鳴確定演出なのに、それを客層も難しいであろう決勝の、しかも1組目でブチこんでくるのカッコ良すぎるな。

・それでいて中野の可愛らしさも相まって結局笑いが悲鳴をジワジワ超えてくるのも凄いバランスだ。

・ホムンクルスであることを告げられたときの、ちょっと溜めてからの「キツイわ〜〜」がめっちゃ好きだったな、言葉のチョイスとか。

・ヌルヌルを白衣で拭かれて、気まずそうにしてる中野のあのなんとも言えない表情も最高。

・しいて言えば、異常者は全部中野に任せて、イワクラが引き立て役に徹するネタだったので、イワクラにももうひとクセあった方が個人的には好きだったな〜。

・トップバッターの重い空気を衝撃の掴みでぶち壊してかなりウケていた点、後半からオチにかけてはちょっと尻すぼみだったかな〜というところで90点に。

・歴代トップバッターの中でもバチバチにウケてたのを加味してか、審査員は3人も93点付けてるんですよね。今大会が勢いづいて、点数もインフレ化したのは間違いなく蛙亭の功績だし、当人たちも出順もっと後ろならな〜〜って思ってそう。


②ジェラードン

・これは褒めてるんですが、このネタ、台本のテキストだけだと全然面白くないと思うんですよ。よくある古典的なイタいカップルの流れをやってるだけ。

・やってるだけなんだけど、2人のキャラがあまりに強すぎるので笑ってしまうという。その腕っ節の強さはすげぇなと思いました。

・あんなん笑っちまうよな、、「幼稚園児でも笑えるネタを」ってフリの映像で言ってたけどそれは確かにって思った。

・ただ、前述の通りネタの展開には特に驚きもないので、そこがちょっと単調に感じてしまったのと、ツッコミが「見てらんねえよ!」って言うちょっと前にガチで見てらんなくなってきちゃう部分もあって、個人的にはあんまりだったかな... 蛙亭とはかなり差を付けたかったので85点に。

・ただ、キャラがツボにハマれば一生面白いので、そういう点では好きな人は好きそう。

・西本のキャラが強すぎて途中からかみちぃが若干印象薄くなってたのももったいなかったかな...

・この時点で審査員の点が蛙亭を上回っててかなり「マジか!」ってなりました。まあでも秋山は好きそうってか自分でやりそうだもんな〜〜こういうの。


③男性ブランコ

・とにかく構成が良すぎる...

・最後にみんながあの 酒焼け声の「ほんま来てくれてぇ〜」を心待ちにしているという展開、コントであんなに会場の心が一つになることあっただろうか。

・『現実かと思いきや実は妄想で、かと思いきや現実になった』っていうそれだけの流れなのに、天丼とも伏線回収とも言い難い、新しい快感がそこにはあったな...

ついつい全体の構成のうまさに唸ってしまうけど、最初のひとボケがまずめちゃくちゃ良いんだよな... 

『酒焼けコテコテ関西弁女』でしっかりオトすために、「ボトルメール」「白のワンピース」「立花マリ」と丁寧に真逆の要素を重ねて落差をつけてくるのが上手い。

・山内が「衣装のチョイスも完璧で、、」ってコメントしてたのは、そういうフリの丁寧さのことだろうな〜と。

・そして、ちょっと飽きてきたかな〜って頃合いで挟まれる「いや〜〜好きだな〜〜」最高。

・「いや好きなんかい!」の裏切りから「でもこういうの好きな人全然いるよな〜」の妙な納得があって、そこから先は「そうか好きなのか〜」という前提で見方に角度がついてくるのが更に面白いっていう神の一手で、ここで一気に引き込まれましたね。

・「バクチのマッチングアプリ、バクッチングアプリ」とか、細かいボケも絶妙に言いそうで好き。

ここまでだとダントツ1番好きだけど蛙亭もなかなか良かったので2点差をつけて92点に。


④うるとらブギーズ

・これな〜〜〜!YouTubeでめっちゃ見たことあるネタだったんだよな〜〜〜!

・お笑い、特に賞レースの類に関してはかなり好きな方だとは思うんですが、日頃から劇場に通ったり、ネタ動画を漁り尽くしているわけではないので、決勝で知ってるネタが出てくるこの感覚は久々でした。

・うるとらブギーズが2位だった2019年のKOCの後に、YouTube上で見つけて、当時めっちゃハマって1日に5回くらい見たネタだったので「頼む〜あの動画通りウケてくれ〜〜〜〜」と念じながら見てたんですが、ちょっと空回りしちゃってたかな...

・やかまし前半パートが、ちょっとかかっててやかましすぎた感があるかも... 

・もっと「定めるの『定』に三菱の『菱』で『定菱』!」のところでウケてもいい気がするんだけど、笑う間が足りなくて勢いに乗り切らなかった感じがあったな。

・後半の笑っちゃうパートはめっちゃ良かったけど...

・「TOYOTAの靴」とかもワケわかんなくて好きなんだけどなあ

・知ってるかつ好きなネタだったんでフラットに見れなかったんですが、ウケてる感じは蛙亭のちょい下かな...ということで89点に。あの昔の動画で見た感じがそのまま出てたら92,3点くらいつけてたなあ。


⑤ニッポンの社長

・やっぱりこの人ら「あたおか」でした!!!!

・期待を裏切らないな〜〜 絶対頭おかしいネタやってくれるもん。

・去年のネタもだけど、よく最初の笑いまで2分くらいあるの耐えられるよな。

・2分間「どう展開するんだろ...」ってたっぷり想像させてから、予想もつかない角度からの球を投げてくるの強すぎる。

・長すぎるフリは一見無駄な時間にも思えるけど、長ければ長いほど「あれだけ時間あったのに予想できなかった」という悔しさがより面白さを増幅させてくるんだよな... テンポ詰めればもうちょい、って松っちゃんが言う気持ちもわかるが...

・マジでただヤバい奴をやってるだけ

・左で当たり続けるところヤバすぎる

・というか当たるマイムうますぎ、野田クリと並んでマイムうまい大賞

・最後キレキレのスイングかますのも良いオチだな〜

・こういうイカれた発想は個人的に好きで、ここまでだと男性ブランコに並ぶくらいのヒットだったので92点に。

・辻が普通にシュッとした男子高校生に見えてくるのもちょっとおもろい


⑥そいつどいつ

・03飯塚の「過剰に展開に期待しすぎてしまったのかな〜」にめっちゃ頷いてた。

・暗くしてマスクが光る、そこまで上がってく〜〜?みたいな仕掛けは新しくて驚きもあるし、狂った貞子、包丁の音がホラー、とかの小ネタも好きではあったんだけど、全体的な話の流れはちょっと雑な感じというか、最後何かもうひと展開あるのかな〜って思わせたまま終わってしまった感じがした。

・散々おどかすだけおどかされて、結局どうしたかったんかな...って思ったら本当にただおどかしたかっただけなんかい!っていう。

・松っちゃんの言う通りチャレンジングではあったんだけど、個人的には笑いどころもちょっと少なかったしな...というのもあって、ジェラードンの下の84点に。


⑦ニューヨーク

・う〜〜〜〜ん、去年から"キングオブコントのニューヨーク"にはあんまりピンときてないんですよね...

・いや、初っ端の屋敷の「全部違ったんですけど」とか「そんな漫才師みたいに出てこないですよ」とか、嶋佐が「韓国.....」ってメモるとことか、好きなくだりはいくつかあったんですが、逆に言えばそれ以外はずっとハマりきらないまま、最後まで演出だけはどんどん派手になっていって置いてけぼりにされちゃった感じがあるんだよな...

・M-1の漫才のニューヨークはかなり好きだったんだけど、ニューヨークのファンはこの今日のネタとかを正直どう思ってんだろ...?漫才の良さとは全然別の側面で勝負してる感じがするから、これはこれで面白いと思ってるのか、それとも漫才の路線でいってほしいのか...

・秋山の「知ってるが故に思ったよりベタやったなあ」って指摘は確かにと思った。これは去年も思った。

・雰囲気ウケてはいたけど、ちょっと個人的には渋いな〜〜といったところでそいつどいつと同じ84点に。

・思えば2年連続結婚式でドリル回してるな、流石に3年連続でかましてきたらそれはちょっと面白いかもしれない。


⑧ザ・マミィ

・まず酒井の演技力すごいなー。言葉では表現しにくいけど確実に『いる』あの種のおっさんを、そのまま降ろしてきててすげぇと思った。

・わざわざコントであんなにアンタッチャブルでグレーな存在を描写しなくたっていいのに、そこに真正面から突っ込んでいってちゃんと笑いに昇華してるのは「お前すげぇな!!」だった。

・展開に奇抜さこそないけど、「お前道に取り憑かれてんのか!」とか「これが2万も貸せるわけねぇだろ!」とかいくつか爆発ポイントもあってかなりウケてた印象。

・いや展開の奇抜さ、、あったな、最後のミュージカル風オチ。あれは好みだよな〜。個人的には逃げって感じがしてあんまりだったけど。

・演技力には引き込まれたけど、話の流れは割と読めてしまう感じが個人的にはあまり刺さらなかったので、蛙亭の少し下かなというところで89点に。

・が、しかしこれが意外と審査員軒並み高かったですね。試みというか、そこをやるか...!という点を評価したのかな。

・期せずして胸の辺りに感情が芽生えるくだりが蛙亭とかぶってて笑ってしまった。


⑨空気階段

「私は警察官だ!!」のあたりで全国民が空気階段の優勝を確信したんじゃないでしょうか。

「私は消防士です!」「私は警察官だ!」の2発だけでもう勝っているような設定と展開なのに、それ以外のボケも『ストーリーのためのボケ』『ボケのためのストーリー』になってないのが凄かった。話が進む中に自然にボケがあって、ボケが話を自然に前に進めていて、無駄がなかったですよね。

・それでいて、絵面も面白い、いや、むしろ絵面が一番面白いまであるから隙がなさすぎる。ちょうど一番面白い太り方と痩せ方をしてる。

・ストッキングで顔引っ張り上げて「30分延長で...」とかもたまらなく良かったな。

・しいて言えば、のたうち回るくだりがちょっと長いな〜って思ったくらいか。

・明らかに頭一つ抜けてたな〜ということで男ブラ、ニッ社の+2で94点に。審査員も満場一致の最高点でしたね。

かたまり「生まれてきた意味がありますね」


⑩マヂカルラブリー

・空気階段のあのスケール感からの「こっくりさん、こっくりさん」でまず笑っちゃった

・誰もが「つり革では...」と一瞬頭をよぎったと思うし、それは完全に切り離すことはできない宿命なんだけど、それはそれとしてこのネタは普通に面白かったんだよな。

・『ヤバすぎるコックリさん、どんなの?』の大喜利に対する答えとして、そのボケのくだらなさとクオリティは完全にM-1チャンピオンのそれだったし、野田のマイムもキレキレで流石だな、とは思った。

・10円玉に引っ張り上げられて立ち上がるところとか、もうアレは「が〜まる」の域でしょ。「ちょば」超えちゃってるんじゃない?

・死んだ?!のところが一瞬全然理解できなくて、でもじわじわとマイムと解説でわかってきてから面白くなってくるのとか、ほんと「つり革」なんだよな。

...そう!やっぱめっちゃ「つり革」なんだよな!!

・なんでわざわざこんなにつり革っぽいネタをチョイスしたんだろう...? 『漫才もコントも本質的にはさして変わらない』というマヂラブからの挑戦的な問いかけなのか...?とか思ったけど、ただ多忙な中用意できた持ち玉の中で、2本目に「シャドウ」やって優勝したかっただけなんだろうな...

・野田も漫才の野田過ぎたんだけど、村上の方がなんなら漫才の村上過ぎたんだよな。最後とか申し訳程度に「野田"くん"を返せ〜」って「くん」付けてたけど。

・アレでM-1を優勝しちゃった以上、キングオブコントでの優勝は相当険しそうだな、と感じましたね。でも面白くはあったので、マミィ、うるブギと同じくらいかなというところで89点に。



❶男性ブランコ

・1本目ほどの唸る展開は無かったものの、今度は細かい言葉のチョイスに比重を置いてきた感じで、かなり好きでしたね。

・「あなた、もしかして、僕がケチったレジ袋ですか?」好きだな〜

・「その大の袋は5円じゃない...?」とか細かいあるあるを突いてくるのも良いですよね。

・左のやつの戸惑いの演技も1本目から自然で上手いよな〜

・ただ前半ちょっと単調というか、展開があんまりなくて大喜利の羅列っぽくなってた感じもあって、1本目よりはちょっと下がるかな〜ということで91点に。


❷ザ・マミィ

・まあ1本目の方が好きだよな〜

・展開は結構読めるよな〜

・やっぱ演技力は高いから楽しく見てられるな〜〜

・オチもまあ、そうだよな〜〜

・これは僕が悪いんですが、ドラマを全然見ないので元ネタ理解があやふやで100%面白がれてない感じもあった。

・マミィの1本目よりも、2点くらいは下かな、というところで87点に。

・このターンの審査員の寸評、ただただガチだったな...

山内「オチだけ読まれたかな〜って感じがあってもう一個裏切ってくれたら...」
飯塚「段積みでいかなきゃなところが、イマイチ盛り上がり切らなかった感じが」
小峠「音楽のところ、もうちょっとなんかしら笑いあったら良かったな」
秋山「ドラマっぽさ遊びはちょっとたまにどこかで見たことあるかな、と」
松本「この回(2本目)では男子ブランコには勝ててないかな、っていう」


❸空気階段

・セグウェイ(キントーン)に乗ってメガトンパンチマン(の敵)が出てきた時点で「これは空気階段大丈夫そうだ...」と思いましたね。

「小学生の頃描いていた漫画のコンカフェ」「この人メガトンパンチマンじゃねえんだ!」の設定2発で、これももうかなり勝ちですよね。

・それでいて、もぐらの十八番のヤバい喋り方だったり、突っ込みたいのに最後までほとんど触れない異常な出立ち。やはり強すぎる...

・意味のない両替システムとか、世界観重視のメニュー表記など、あるあるの混ぜ込み方も絶妙なんだよな。

・もぐらがずっとプルプルしてるのもいちいち面白いよな〜

・もしコント師の五角形パラーメーターがあったら、バランスの取れたビタビタにデカイ五角形になるんだろうな、と思うくらい、この2本で空気階段が"隙なしの最強コント師"であることをわからせられました。

・流石に1本目の方が強かったけど、十分すぎる出来だろうということで92点に。



おわりに


・なっっっっっっが!!!!

・よく読んでくれましたね。ありがとうございます。

・優勝した空気階段は本当におめでとうございます!既に売れてかけてたけど、これで箔が付いてここからどんどん階段を駆け上がっていくんだろうなあ(みんなこの喩えしてそう)

・もっともらしい総括をするのも野暮なくらい、多種多様な最強コントが集まった最高の大会でした!!

・みなさまの感想もお待ちしています!

・それでは!!

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