橋内花歩

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無の世界に眠りたい 1

希死念慮。それは人が抱える、漠然とした死への思い。 けれど僕は思う。それらの願望は、正しくは「消えてしまいたい」なのではないかと。 時計に目をやると、朝の10時になっていた。もっとも、電気をつけずカーテンも閉めきったこの部屋に時の流れなどあってないようなものだが。 こんな日々になってから、いったいどれだけの時が過ぎたのだろうか。ここしばらくの間、碌に食事をしていない。人は数日間飲まず食わずでいると死に至ると聞いていたが、どうやらまだその域には達していないらしい。 もう一度眠

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