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20歳の親になった。子育てについて思ふ。

長女が20歳の誕生日を迎えた。
社会では18歳が成人だが、やっぱり20歳の方が想いにふけるな。

初めての妊娠に出産。わからないことだらけだった。

当時20代だった私は、突然の妊娠に不安と感動と不思議な気持ち。まさか自分が妊娠してるとは考えもせず、痩せ型だった私の体重が日に日に増える。(最終的には25キロ超え😱)
細いジーンズが苦しくなる。

腹筋をして、便秘がちになった私は、当時はやっていたスリムドカンという、整腸剤らしきものを飲みだした。

職場で行った箱根旅行では、激混みのバスの中で吐き気をもようす。懐石料理を食べても、すべてがまずい。これがつわり。やっと妊娠と気付く。


どんどん太る私に、女医にも毎回怒られる。泣きながら帰る。
(結局、出産するとスルーと痩せる。次女の妊娠中も同じだったから、妊娠で太る体質と言われ、次女の時には怒られなくなった。)

当時旦那は小さなお店を経営してた。
陣痛がきても、まだまだ出産には遠い。普通の生活をしててね!と女医に言われ、私の普通は旦那の店を手伝うことだったから、20分間隔の陣痛が来てても、お店の手伝いをしていた。

丸2日間陣痛に耐えて出産。
あんな痛みは、世の中にあっていものなのか?
二度と味わいたくない痛み。生理痛の数百倍の痛み?数百倍の下痢の痛みなのに、出せない苦しみ?
もう、鼻からスイカが出てくる痛みなんて誰が言った?そんなんじゃないわい!

退院の日、なんで泣き続けるのか分からず、泣いたらミルク!とミルクを与え続けたら、マーライオンの様に吐く娘。ごめん!

でも本当に本当に愛おしかった。

旦那のお店で、酔っぱらいの大人達にたくさん可愛がってもらった。
1歳前に、旅行で行った沖縄のホテルで初めて歩いた。
ずっとおしゃぶりを離せなかったが、1歳過ぎに出先のスーパーで落としてきた。親としては出っ歯になることを危惧してたからシメシメと思ったが、寝るときになり、チュッチュはー?と大泣き。
落としてきたからないでしょ?となだめること1週間。チュッチュの存在は忘れたようだ。

お姉さん的な存在で、保育園でも皆のお世話をやく。

3つ下の妹を、小学1年生なのに、両親が仕事でいないので、20時になったら寝かしつけなさいといわれて、忠実に守っていた。

同級生と遊んでいても、周りの門限が18時で一緒に遊んでいたくても、うちの門限は17時。必死に17時までに帰ってきた。


折り紙の作り方の本を見ながら、一人で折れちゃう。

小学生でも勉強ができた。
中学受験では、毎日塾に通い、無事合格出来た日は2人で抱き合った。

大学受験前に不安定になった娘。毎日学校まで車で送り、精神科を探し、担任、スクールカウンセラーと娘にはバレないようにやりとりした。

国立クラスに入れて、国立を目指してたけど、「私立に行かせてもらっていいですか?」と話してきた娘。

選抜推薦で3人しか受からないところ、しっかり合格をつかんだ。

そう、今は彼氏の家から4日帰ってこない。

ダラダラと、妊娠、出産から現在まで記録のように書いたけど、気づきました?

私がどれだけ大変な思いをして子育てしてきたか?じゃないんです。

私がどれだけ、正しい親を娘に押し付けてきたか?です。
勉強を諦めたし、正しく生きられなかった母は、娘に多大なる期待を押し付け、正しい人間像を作ったのです。
私の期待を一心に背負い、頑張った娘は精神的に苦しくなるのです。

「私立に行ってもいいですか?」
は「自由に生きてもいいですか?」だったのではないか?

あちゃー!わかってたけど、、、そんな事しちゃいけないけど、、、優等生の娘がなんとも誇らしかった自分。

子供を通して、優越感を得てきた自分。

謝っても謝りきれないのです。

子育てに必死になってる親はそんなことに気づかなくて、子供の本当の姿を見たくなくて、見ないふりしちゃったりして。

でも、ただただ親は必死。子供の痛みを自分の痛みのように感じてしまうのが親だし。
親だけを責めるのも違うし。親だけが子育てをしてるわけでもないし。


長女には、20歳のお祝いに感謝の気持ちを込めて、パールのネックレスと、今までごめんね。幸せをくれてありがとね。これからは自由にいきてください。の手紙を書いて渡した。

誕生日から4日目に帰ってきた娘。

彼氏と過ごした4日間の写真を見せてくれた。ちょっと良さげなレストランで食べた料理、美味しかったお酒、ケーキプレート、もらったプレゼント。

幸せそうにうつる二人の写真。
この顔が見たかったんだよね。ママが本当に望んでたことは。子供の痛みは我が事のように感じるけど、子供の幸せも我が事のように感じた。

バーっと話し終わった娘。最後に照れながら
「今までありがとうございました。」

ううん。
こちらこありがとう。私の世界を鮮やかにしてくれて。

なつき

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