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「銀河鉄道の父」を観る

今日、公民館で「銀河鉄道の父」を観る。よく出来た映画で宮沢賢治の人生がよく分かった。これまで本で知っていた、幾分伝説じみた生き方が理解できた。創作へ向かう状況がよく飲み込めた。文学は賢治にとって渾身の営みだった。私は深く反省させられた。文学がどれほど尊いものであるかに思い至らなかった自分を恥じた。もう安易な読者論など口にはしまい。作者と読者の距離は永遠に遠い。どんなに深く読みとろうとしても、作家の才能には届かないし、まして一体化しようとするのは原理的に間違いだ。私の宮沢賢治作品への理解など小学生並みだった。全く映画を観て感動し、賢治の臨終の床で「銀河鉄道の父」が「雨ニモ負ケズ」を謳う時、思わず涙が流れてきた。映画のパフォーマンスは絶大だった。言葉による表現の僅少なのを思い知った。もちろん私の場合のことについて言っているのだが。

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