激辛の鏡(毎週ショートショートnote)
わたしは、アリス。
今日、不思議なことが起こった。いつもはない大きな鏡が家にあったの。
でも、お父さん、お母さんに聞いても、なんでここにあるか分からない。
わたしは、猫のキティと一緒に、鏡のことについて考えた。
そしたら、鏡の向こう側で、暖炉の前のチェス達が意思を持ったように勝手に動いていたのが見えちゃった。
なんてステキな世界!
もしかしたら、この先の世界で、冒険ができるかも。
わたしは勢いよく、鏡にダイブした。
ガンっ
「痛っ……」
思いっきり顔面を強打した。すごくイタイ!
「ちょっと、わたしをそっちの世界に入れてよ」
「なーに言ってるの。あたしゃただの鏡だよ。人間のあんたを通すわけないだろう」
鏡から不快そうな、おばさんの声が聞こえてくる。
「お願い! 少しだけでいいから」
「そもそもね、人間が嫌いなんだよ! 争いばかりしおって、不純物なんて入れやしないよ」
なんて、『激辛の鏡』なの……。
鏡の中で、チェス達がこちらにピースしているのが見えた。
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毎週ショートショートnoteに参加させていただきました!
鏡の国のアリスで、鏡がしゃべったらこんな感じかな。笑
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