ホステルにおけるフリアコについてのあれこれ
フリアコという制度
フリアコ(フリーアコモデーション)といういう制度は低価格帯のホステルやゲストハウスでは採用されていることが多い。清掃やベッドメイキングなどの業務を毎月一定時間行う代わりに、滞在するベッドと共有部などを無料で利用できるという仕組みである。
フリアコには給料が発生しないため、人件費を抑えたい宿泊施設では欠かせないものになってきている。
フリアコ導入の際に気をつけるポイント
フリアコを導入する際にはいくつか注意すべき点がある。
メリットとデメリットを踏まえながら運用時のポイントをまとめていこうと思う。
フリアコのメリット
・人件費の節約
前述したようにフリアコには人件費がかからない。人件費に予算を割くことが難しい低価格帯の宿泊施設にとっては魅力的だ。
・住み込みスタッフがいることによる安心感
給料が発生していないとはいえ、現場にスタッフがいるとなにかトラブルがあったりした際など、緊急時に初期対応をお願いできるという安心感がある。
・宿泊者との距離感が近い
住んでいることで長期滞在者との距離感が近くなり、そのスタッフがいることで宿泊者の滞在が特別なものになることもある。
フリアコのデメリット
では、デメリットにはどんなものがあるのだろうか。
・モチベーションを上げるのが難しい
フリアコは直接的な対価となる金銭が発生していないことにより、モチベーションや意識が低くなりがちで、責任感も乏しいといった傾向がある。
・施設のジブン家化
住んでいることの弊害として、宿泊施設であることよりもジブンの家のようになってしまいがちなスタッフがいる。
整理整頓ができなかったり、共有スペースを専有してしまったりといった具合だ。一人でも問題のある人間がいると、他のスタッフにも悪影響を及ぼしがちになるため注意が必要となる。
・定着しずらく、流動的であり、動きが読めない
フリアコに応募してくる人の中には、各地を転々としているような人や、留学など生活環境が変わるまで繋ぎで住む場所を探している人、なんらかの事情を抱えている人などもいる。
宿の責任者としては一定の期間キチンと働いてもらえれば言うことはないのだが、いついつまでいると言っていても急に出ていくことになったりすることは多く、いついなくなっても困ることがないようにしたいところだ。
フリアコを雇う上での注意点
これまで触れてきたことはあくまでもこのような傾向があるということに過ぎず、結局のところ人にもよるのだが、メリットとデメリットを踏まえた上でどのように管理していくのかが重要になる。
面接時に問題がないか見極める
面接の際は応募者の置かれた状況などを聞いた上で、問題がありそうであれば採用のハードルをあげ、なるべく断るようにする。
仕事の範囲を明確にする
施設によってはフリアコにもフロント業務などを任せたりするところもあるようですが、うちの場合は清掃とベッドメイキングのみに業務を限定しています。これは入れ替わりの多いフリアコに対して教育コストが高くなってしまうことを防ぐため、そして、お客様の個人情報やお金を扱うことにもなるので責任感を持って仕事をしてくれる人に任せたいというのが主な理由です。
ルールを明確にする
うちのホステルでは面接時にルールをまとめたものをプリントアウトして渡すようにしている。
おおまかに下記のような内容となる
・自分の住んでいる場所である以前に宿泊施設であることを忘れないこと
・混雑時はすすんでお客様にスペースを譲ること
・共有スペースに私物などを放置しないこと
・館内をだらしない格好でうろうろしないこと
・設備や備品を大事に扱うこと
・仕事とプライベートのメリハリをつけること
問題があると判断した場合は速やかに退去させます。
さいごに
資本力が乏しく、人件費などをかけられない宿泊施設ではフリアコの導入を検討してみるのもいいだろう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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ばしょう(@hostelmanager_b)でした。
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