ホスピタリティ・ロジックのこと その1 〜ホスピタリティとの出会い〜
「ホスピタリティ・ロジック」とボクたちが呼んでいるものについて、文字にして残しておこうと思います。
ホスピタリティの現場を、そのビジネスを、ホスピタリティの経営でマネジメントするということについての理想論。
相手以上に相手のことを考えるということの接客の技術や営業の技術について。
そして、ホスピタリティを発揮できる部下や現場スタッフの環境としての上司やリーダーの技術について。
ボクたちは、ホスピタリティを以下のように定義しています。
① ホスピタリティ=相手(お客さま)以上に相手(お客さま)のことを考えられる技術
② ホスピタリティのビジネス=ビジネスが進めば進むほど良好な関係性が深まる技術
③ ホスピタリティのマネジメント=ホスピタリティを発揮できる部下やスタッフの環境となれる上司やリーダーの技術
こういったことです。
ボクたちは基本的に技術論者なので、ホスピタリティとは技術のことと定めています。
なので、「ホスピタリティ=おもてなしの心」ということは採用していません。
むしろ、おもてなしの心が達成したいことを成し得る技術がホスピタリティとしています。
心があっても、技術が無ければ何かを可能にすることができないからです。
技術とは、「それがあることで目的を達成できる力能が備わっている状態」とした時に、技術としてのホスピタリティは、相手に対する「何か」を可能にするものです。
その「何か」は多岐にわたり、瞬間瞬間への対応であり、基本的にまったく同じケースということはなく、来るのか来ないのか有るのか無いのか分からないことが多く、事前に用意したマニュアルやセオリー的な方法論では対応しきれない領域とされています。
その領域は、出来る人には自然にできるのだけれども、出来ない人にはどうしたらできるようになるのか分からない世界とも言えます。
そうした属人的なことから出られないとされていたホスピタリティを、ボクたちは技術として体系化し、ロジックとして誰にでもロジカルシンキングできるものとして15年間以上に渡り、研究・創造・構築・実践・検証をしてきました。
その一連の流れや出来事の記憶が消えてしまう前に、書き留めておくことにしました。
ボク自身が元々、記憶力が良くなく、特に過去の出来事を憶えていられないので、完全に消えてしまう前に。
それでも、記憶が曖昧なときは半分くらいは創作かもしれないので、そんな感じで捉えてもらえればいいですね。
記憶と事実は必ずしも一致しないのだけど、記憶が事実として認識されるという面白さとして(笑)
さて、ボクが「ホスピタリティ」という言葉に出会ったのは、2000年のあたりで、二十 代の終盤くらいの時でした。
当時、サラリーマンだったボクは、奈良が本社の会社に勤めていて、営業の担当範囲が東日本全域だったので茨城県に住んでいました。
少なくとも月に1回、奈良の本社でのミーティングがあって定期的に古都へ上京していました。
入社したての頃は、26とか27歳で若かったので、夜行バスで奈良駅前へ早朝に着くと社長のMさんが待っていて、朝粥なんかを食べに行っていましたね。
いま思えば、会社は経費を切り詰めていたんだなって、今は分かります。
社長もその時にボクたち社員に言うこともしない苦労があったのだな、と。
その後、会社の経営状態が良くなって、そのミーティングで奈良に行く時に、前泊が許されるようになりました。
その前泊のホテルは通常、いわゆるビジネスホテルだったのですが、ある時、その当時としてはやたらいいホテルを社長に取ってもらって驚いたのを憶えています。
さらに、「これが、ホスピタリティのあるホテルや」と社長が言ったのも憶えています。
でも、ボクにはそういうことへの価値観が無かったので、「そういうもんなんだ、ホスピタリティって」という程度の認識でした。
その後、様々なきっかけで自分自身がホスピタリティを体験することで、ホスピタリティへの興味を深めていくのでした。
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