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コーヒーのミルクは混ぜずに眺めるもの

コーヒーにミルクを落とした時、ゆらゆらと広がってゆくさまを眺めるのが好きだ。
何も手を加えずとも、ゆっくりと着実に、気まぐれに、しかし何か規則性を持って白と黒が馴染んでいく様子はとても興味深い。
私も努力せずともこの社会に馴染みたい。

水曜日に有給を取った。
法定有給消化ができていないので早く取ってくださいと人事から通達が来たのだ。そうか、私は法律に定められた休暇も取らずに働いていたのか。
なんて働き者なんだ。
じゃあ水曜日に休もうと思った。
なぜ水曜日なのかと言うと、週の真ん中で一息つけるし、映画がレディースデーで安く見られるから。

せっかくの有給なのだから充実させなければ!
お昼に映画を見るのは決まっているからそれまで何をしようか。
だらだらと転寝を繰り返すのも幸せだけれど、活動しないのももったいない気がする。
とりあえずモーニングを食べに行こう。朝活っぽいじゃないか。

毎朝死に物狂いでベッドから這い出ている超低血圧女である私が通常の出勤時間より早く起きれるわけもなく、ゆったりめにモーニングを10:30までやっているグッドモーニングカフェ中野に9時半に到着。
せっせと駅へ向かうサラリーマンを横目にモーニングに向かう道のりはさわやか。芝が広がる公園に併設されているカフェなのでお店の中からの解放感も抜群だ。
土日には家族連れでごった返している公園も平日の朝は静かで
あてのない散歩に出ているのだろうおじさんがベンチで日向ぼっこをしているくらい。たまに大学生が行きかう。平和だ。
幸せ家族に妬ましい気持ちも抱かずに済む。

若い頃に比べてずいぶんと人を妬む気持ちが育っていて良くない。
刈り取っても刈り取っても育つので最近は何かバイオエネルギー的なものに活用できないかと考えている。
羨んでいないで自分も何か努力すればいい話なんだが。
人間は怒りのエネルギーが一番強いんだとか。怒りではないんだなぁ。
学生の頃はセンスのある人に憧れたり、頭のいい人を尊敬したり、美人な子を羨んだり、その程度だったものが大人になり社会人生活が長くなる程、生き方が多様化し、私が選ばなかった道、得られなかったモノが増えていく。
そうすると自分と違う生き方で歩んでいるたくさんの人達がキラキラして見えてくる。
もちろんそんな人達にだってそれなりの困難や悩みがあり、のらりくらり生きている私が羨ましかったりするのかもしれない。
自分は自分だし、人と比べたってしょうがないと頭ではわかっていても
無いものねだりをしてしまうのが私なのだ。

窓の外を眺めながら優雅にモーニング。なかなか良い出だしじゃないか?
なんか自立した女っぽくないか?とほくそ笑みながらお替りのコーヒーを飲みほした。
やはりおいしいご飯は元気をくれる。

午後は映画を見に行こう。
しばらく映画館に足を運んでいなかった。
映画は週2〜3本見るけれど、いつもサブスクをPC画面でご飯を食べながらだったら歯磨きしながらだったり、蔑ろな見方をしてしまっている。
それでも十分楽しめるがやはり映画館で見ると3割増しだ。
予告編で気になる映画をチェックして、本編が始まる前の暗くなる瞬間がたまらない。ただ映画を見るためだけに集まった人たちと一緒に。

私界隈で「今までいまいちハマらなかった新海誠監督に何かあったんじゃないかというほど今回の作品は群を抜いて良い!」と評判のすずめの戸締りと「ムキムキマッチョの激濃いイケメンが織りなす愛と友情の胸熱エンタメ」であるRRRのどちらを見ようかすごく迷いました。
が、今回はスカッとしたい気分だったので激濃いイケメンの方に。
上映時間約3時間。インド映画はトイレを我慢できるかが問題だ。


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