結婚にこだわっている以上は少子化は無くならない

少子化対策の為に、若者に結婚してもらう為の対策が必要。

この文章を読んで、疑問に思った方はいらっしゃいますか?
私的には凄い違和感を含んでいるんですが。というのも
結婚と妊娠は関係ないから。

だって結婚しても子供を生むかどうかなんて個人の選択じゃないですか。
私も幼稚園のときは「結婚したら自動的に子供が生まれるんだ。だから子供が欲しい人は結婚するんだ」って信じてたけど、違うよね。

でも政府は未だに結婚=出産という幼稚園児的な理論を展開してるわけです。

少子化という言葉が初めて出てきたのは90年代。しかし70年代の時点で、すでに人口を維持するのに必要な出生率2.08を切っているわけですから、その時点で、すでに20年間経っているわけです。
今が2016年だから、なんと40年以上少子化に対する歯止めが利かないまま、「このままだとマジヤバい」って言ってるんですね。国家の危機にしては実に悠長です。

面白いのは92年の国民白書(内閣府が国民の生活環境の向上を課題としてまとめる年次報告書)〜少子社会の到来,その影響と対応〜の中で上げられてる少子化問題における問題点が全く解決される事なく2016年現在そのまま引き継いでるってこと。

当庁「平成4年度国民生活選好度調査」(以下「選好度調査」付注1参照)により,最近の出生率の低下の要因を尋ねると(第I-1-4図),男女平均では「子育て費用の負担が大きいから(54.6%)」「育児をする施設・制度が充分でないから(51.2%)」を挙げる人が多く,また,女性では「育児をする施設・制度が充分でないから(56.7%)」が最も高くなっており,子育て費用が家計に大きな負担となっていることや,女性の職場進出にとって職業と育児の両立が難しい問題となっていることがうかがわれる。子育て費用の負担は教育費自体の負担が重くなっていることに加え,今まで家族,地域などで負担されていた養育・育児についての機能が次第に低下しており,経済的な負担が増大していることが考えられる。また,家庭から出て働く機会がますます増えている女性のために施設,制度の充実が望まれているものとみられる。
これらの2項目に続いて,「結婚しない人が増えたから(24.7%)」「生活環境が悪くなったから(19.9%)」「結婚するのが遅くなったから(19.3%)」「家が狭いから(17.7%)」が比較的高くなっている。出生率低下の要因として一般に指摘されている未婚化・晩婚化が人々の意識の面でも裏付けされた結果になっているほか,子供を育てる際に充分とはいえない生活環境も問題とされている。

これ1992年に書かれてるんですよ?政治家何してたの??

で、冒頭の文章に戻るわけですが。結婚と出産はセットという取り組みが何故あるかっていうと、日本では未婚で出産する女性が少ない=結婚支援が出産に効く!ってなってるわけですが、そもそも何故未婚で出産する人が少ないのか?じゃあ未婚で出産する人を応援しよう!法整備も進めよう!っていう発想にならないのは何で??


結婚しなくても子供はできる

結婚に対するハードルが男女共にあがってるって言うのは、周知の事実ですよね。じゃあわざわざ結婚しなくてもいいじゃん。子供生みたい人は未婚で生めばいいんじゃない?結婚しなくても子供はできますよ。

「未婚で、結婚したくないけど子供は欲しい」っていう人は一定数存在してますよね。あと「相手はいらないから子供だけ欲しい」っていう一定数以上います。なので、未婚で生んだ場合(事実婚含めて)も結婚した場合と同じく社会的•法的に同じ扱いを受けますよ、と大々的に宣伝すれば結婚というキーワードに対するハードルもプレッシャーもなくなりますよね。

大事なのは結婚率を上げる事ではなく出生率を上げる事ですから。結婚が重荷になって出生率があがらないって本末転倒じゃないですか。国家の危機のポイントは「結婚率」じゃなくて「出生率」。

フランスも出生率が下がった時、事実婚と法律婚の垣根を無くした事で出生率が回復してます。思想も理念も全く違う個人に向かって「ああしろ、こうしろ」って言う前に法整備すればいいじゃないって話ですよね。政治家ってそういう事の為に存在しているのでは?国家の危機に対して何千万っていう個人に一人一人働きかけるとか、時間の無駄の極みです。政治っていう内輪の問題なのになんで問題が外(個人)にあるように言うの?
「日本の出生率が悪いのはどう考えてもお前らが悪い!」って?

一個人に出生率を変える力なんてないわけです。目に見えるメリットが無いまま生む人というのは、周りが「生め生め」いわなくても生む人だし、生まないと元から決める人は周りから言われても生まない人(自分)だし、取り込むべきは「子供を生む事でメリットがある/生んでも大丈夫だという社会がある前提なら生んでもいい」という層でしょう。

昔とは家族形態がかわったから〜、とか雇用形態が変わったから〜、っていう理由付けはもういいんです。そんなのずっと前から変わってないから。


で、解決策は?

社会保障にお金ぶっこむ覚悟があれば解決すると思うんですけど、どうですか。そんな所にお金ぶっ込みたくないから40年たってまだ国家の危機とか言ってるわけですよね。つまり政治家の総意は「お金使いたくない、でも子供いないのヤバい!」って事で。本当に危機なの?それって。
危機感を抱くべきは「今金を使う危機感>未来の子供がいない危機感」っていう思考回路じゃないの?本気で少子化をなくしたいと思ってる態度じゃないよね。

結婚が大変ならやめればいい

あと、「結婚、出産!」って政治家がいってる割に、不思議なほど「人口が増えたその後」のゴールが設定されてない。えーー?ですよ。

あれですかね、「生めば何とかなるよ!」っていう丸投げ設定?

食料自給率が低すぎて今ですら供給できてないのに、どうするの?そもそも今の時点で雇用が足りないとか、社会の方で受け皿ができてないのに数だけ増やして、その子達は一体どうやって生きのびれる??
それがわからないのに「子供増やせ」だけ言われても「じゃあ社会の受け皿できたら生みます」ってなりますよね。

政治家「社会がそれを望んでいる」
女性「わかったじゃあ生みます」→誕生
女性「生まれました!」
政治家「あなたの子だから社会に頼らないで生んだ責任は自分で取ってね。」


って感じでしょうか。どうも、生んでほしいという都合だけを押し付けるくせにその子の将来が見えてこない。出生率が問題なのは確かですが、その問題を招いている社会的構造を変えないと誰も子供生まないっていうのは周知の事実です。野生動物だってこれから乾期で食べ物が乏しくなるって時は交尾しませんよ。メスが全力拒否します。子供生んでも満足にご飯あげられないって分かってるから。人間も同じ事。

AUSだと、出産祝いに5000ドルもらえて出産料金及び出産にかかる入院料はタダだそうです。子供を育てる助成金もでます。あと事実婚も法律婚と同じ扱いです。半分くらいのカップルは事実婚だから子供の名字が違っても何とも思わないし、名字も役所に届ければ普通に変えられるので、気にする人はじゃあ変えれば?って感じです。

結婚と出産が関係してるって誰も思ってません。結婚は重い?手続き面倒くさい?じゃあ事実婚でいいじゃん♪それくらい事実婚は普通の事。

自分は結婚してませんが、同棲2年目に永住ビザの為に関係証明書(名前忘れた)とりました。結婚証明書と同等の法的書類らしいです。なので、結婚してなくても法的にはパートナー。用紙に簡単な個人情報書いて必要書類とお金送っただけで完了。簡単。

敷居が高くてできないなら敷居を下げよう。

若いうちに結婚できない→晩婚→高齢出産こわい→諦める
って流れになるくらいなら、結婚しなくていい。
結婚できないから子供が持てないなんてナンセンスです。

政府はお金出したくないなら、せめて制度を変える。
結婚という敷居を抜きにすることで出産の敷居が低くなるなら万々歳だと思うんですが、どうでしょうか。

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