見出し画像

新規就農-農協という組織-

今回は、農業を始めるにあたり必ず力を貸していただく【農協】との関わり方について少しお話しします。

細野ファームの細野です。
岐阜県でIoTを用いたミニトマトの生産をしています。
20歳で縁のない農業を志し、0から起業しました。
詳しくは自己紹介をご覧ください。

農協に対する外からのイメージと実際

突然ですが、皆さんは「農協」に対してどのような印象をお持ちですか。
「JA」「超大規模組織」「殿様商売」「悪代官」「政治」・・・
いろいろあると思うのですが、特に若者や就農を考えている人がよく言うのは「農家を数でものを言わせていじめる」のような悪い印象かと思います。
かくいう私も農業を始める前は漠然とそんな印象を持っていました。

しかし、その実態は世間的なイメージとは全く異なります。

農協は農業従事者にとって最高の助太刀、パートナーになりうる存在です。


農協の機能

下の二つに分かれます。
「総合JA」:貯金や資金貸付といった信用事業、農畜産物を扱う販売事業、肥料や生活品等を扱う購買事業、保険業務等の共済事業などを総合的に兼営
「専門農協」:酪農、果樹、園芸など作目別を中心としたJA組織

また、地域ごとの営農を支援する「単一農協」と、全国の農協と共にスケールメリットを活かして事業活動を行う「全農」があります。
農業経営者はこの農協により、資金調達から資材購入、販売に至るまで、ありとあらゆる営農の支援を受けられています。
多方向から農家を守ってくれているのです。

農協が私たち農家を助けてくれるのは、自分たちの利益を出すためだけではありません。農協は全国の、または担当地域の農業の振興を目的に設立されている団体です。
その地域の農家が高齢化や輸入農産物などに負けて縮小していく現状をなんとかしたい。また、耕作放棄地が溢れ廃れていく地域を変えたい
本気で思っていらっしゃると思います。
実際のところ、農協の営農分野で赤字を出している単一農協さんは多いです。それでも農家の営農を助ける事業を縮小せずに続けています。

ではなぜよくないイメージがついてしまうのでしょうか。
私が思うにそれらは全て「農協のせいにしたいという言い訳」からきていると思います。
例えば、「農協が安く買い漁る」というのは、そもそも農協は全量買い取ってもらっている時点でその農家にとっての「顧客」とも言えます。
「機材を農家に売り捌いている」というのも同じく、その農家にとって農協はビジネスパートナーとなっているのです。
そんなパートナーに全ての責任を押し付けるのは、他の業態のビジネスにおいては非常識ではないでしょうか。モノが売れないのは顧客のせいではなく、買った資材が高いのは資材屋のせいではないと思うのです。

これらは共通して、
自らのマーケティングや資材導入を怠っているのではないでしょうか。
この場合、農家は農協に提供された資材を作って作物を提供するだけ、
まるで「農協の子会社」のようになってしまっていないでしょうか。

逆にこの「農協の子会社化」している状態を脱却し、農協と真のパートナーとして協働することが出来れば、全国1000万以上の会員と各地に支店を持つ超大組合のスケールメリットを活かせそうです。

B to C, C to Cが当たり前になり、IoT技術の進んだ現代において、農協に過度に依存していた営農がより自分らで出来るようになってきたと思います。
SNSで直接お客様にお送りすることも出来ます。肥料も様々なものがオンラインで手に入るようになりました。
このような需要側も供給側も多様化する現代においては、前回の話もそうですが、やはり自分がどのような農家でどのような商品をどのように売っていくのか、
ブランディング、マーケティングの良し悪しで成果も大きく変わると思います。これは農家にとっては利益を上げるチャンスと捉えられます。


私は農協を通しての市場出荷はしていないですが、地域の農協さんと良好な関係を築けています。

ぜひ皆さんで日本の農業をどんどん進化させていきましょう!
私のnoteは現代の日本でこれから営農を始める皆様に少しでもお役に立てればと思い書いています。

最後までお読みいただきありがとうございます。
また次回まで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?