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ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。

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ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』のハガキ職人から放送作家になった、僕の16年間の回顧録です。
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#お金

ハガキ職人から放送作家、そして。13

【放送作家9年目(30歳) 2010年】 自分の通帳を見返してみて、改めてお金の管理がずさんだったことに気づきました。財布の中身が無くなるたびに口座から10万円を下ろす、それが月に7、8回。毎月の引き落としの中には家賃やローンのほかに、把握できていないものもたくさんありました。4年前に通っていたスポーツジムの会員費が、解約されないまま引き落とされていたり、好きでもないプロ野球球団のファンクラブの年会費やら、ほとんど見たこともない競馬チャンネルの視聴料まで(すべて僕が解約し

ハガキ職人から放送作家、そして。12

【放送作家8年目(29歳) 2009年】 それは、ある放送局で会議をしていた時のことでした。 普段は滅多に会うことがない経理部の社員さんが、僕を訪ねてやって来たのです。 「細田さんという作家さんは、どなたでしょうか?」 「はい、僕ですが」 会議を抜けて話を聞くと、経理の方は困った様子で僕にこう言いました。 「実はですね。先ほど●●区役所から電話があって、弊社から細田さんにお支払いしている給料を差し押さえたいと言われまして…」 「はっ?!」 「税務課と言っていたの