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コロナに感染しました。


2021年8月、弊社主催の野外キャンプ事業でコロナクラスターが発生いたしました。

https://bit.ly/3kX5Kdr (弊社公式発表)

人口わずか3800人の松野町という小さなまちで、クラスターを発生させてしまい、多くの町民、関係者の皆様に不安とご迷惑をお掛けいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます。


今回の件における松野町の感染者(PCR陽性者)は3名、その内2名はウチの20代のスタッフ、そして、もう1名は私です。


中等症Ⅱの症状

私自身は、結果的に肺炎を引き起こし、CT検査の結果、肺内に白いすりガラス状の影が無数に診られたため、「中等症Ⅱ」という診断を受けました。

症状としては、39度後半の熱が約1週間続き、咳が止まらない状態でした。

血中酸素飽和度は何度か95を切りましたが、それほどの息苦しさはありませんでした。念のため、呼吸器を鼻に注入して4日間ほど過ごしました。


まず私自身驚かされたのが、今まで大病を患ったこともなく、健康体そのものと自負していた自分が、肺炎を引き起こして高熱に悩まされる日々を送ることになったことです。

体力には自身がありましたが、さすがに39度以上の高熱が1週間続くとしんどいです。もし、持病や基礎疾患をお持ちの方、高齢者の方だとさぞかし大変だったろうと思いました。デルタ株の脅威を肌身を持って感じました。


経緯

ここで、改めて私が感染した経緯をまとめます。

8月16日 弊社野外事業でコロナクラスター判明

8月17日 濃厚接触者として、うちの家族5名のPCR検査実施。結果、長女(広島より愛媛に帰省中)のみ陽性。あとの4名は陰性。

8月21日 私に咳の症状がでた為、念のためPCR検査実施。陽性。

8月23日 発熱が診られたため、再度受診。自宅療養。

8月27日 発熱と咳がおさまらず、受診後、肺炎と診断。そのまま入院。

8月28日 呼吸器装着、血中酸素飽和度は95-96。体温39.7度。

8月31日 病状が落ち着いたため、呼吸器を外し、経過観察。

9月5日  点滴終了、予後観察。

9月8日 退院 。


今思うこと(近視眼的に)

改めて、自身のコロナ感染症に対する認識が甘かったと猛省しています。

想像していた以上に、デルタ株の感染力、そして、油断すると猛威を振るう病状には、気をつけなければならないと思います。

特に、これから9月以降、家庭内感染には十分に注意が必要です。お子さん経由の感染が、感染爆発に繋がらないことを祈るばかりです。

また、コロナウイルスが容易に変異すること、そして、感染力が高まったとしても、一般的に言われるように、それに反して重症化率が下がるとは言い切れないこと。それらを含めて、まだまだ未知の部分が多いということに、改めて新規病原体の脅威を感じています。


コロナ風評被害に対する温かいご支援に感謝

この度は、愛媛県でもっとも小さなまち、松野町のしかも人口270人の限界集落に移住した私が、コロナに感染したことにより、近所のおじいちゃん、おばあちゃんをはじめ、そのご家族、近隣の皆様に大きなご不安を与えてしまったことを改めてお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。

その一方で、坂本町長をはじめ、松野町教育長さんや、小中学校の校長先生、役場の皆さまには、「あらぬ噂やコロナ差別といった風評被害から全力でお守りしますでの、ご心配なさらずに。」という温かいお言葉を何度もいただきました。

私としては、会社のスタッフや家族が、今回の件で差別的な振る舞いを受けたり、心ない誹謗中傷を受けてしんどい想いをすることだけは何とか避けたいと思っておりましたが、地域の皆さまのあたたかいお言葉に励まされ、今を迎えられていることに、心から感謝申し上げます。

(加えて、日頃から人権教育に熱心に取り組まれている松野町の皆さまの真剣な取り組みによって、今回助けていただけたのだと、改めて松野町の教育体制に感銘を受けました。)


そして、コロナと共に生きる決意。


今回、隔離病棟にて13日間を過ごす間に、医療従事者の皆さまの手厚いケアに甘えながら、自分と対峙する時間をたっぷりといただきました。

本当に多くのことを考え、反省し、そして来るべきミライを想い描きました。


これから、ワクチンや、抗体カクテル、さまざまな新薬が開発、投入されながらも、コロナにどう打ち克つかという戦いが続くかもしれません。

しかし、ここは自然相手の脅威。結果的にコロナといった未知の新規感染症を超克できることなく、我々人類は感染症病原体と共存していくことになるのではないでしょうか?

このまま人類による環境破壊が進み、温暖化や気候変動が進行すれば、極地の永久凍土が氷解するとも言われています。その中には数千種類に及ぶ未知の微生物や病原体が眠っており、これらが人類に与える影響は計り知れないと考えられています。

ベストセラーとなった人新世の「資本論」では、行き過ぎた資本主義経済が、ついには人間による新たな人工地層を歴史に刻み込んでしまったという新たな切り口で環境破壊に警鐘を鳴らしています。


残念ながら、ガイア(地球)レベルから見ると、全人類の数(総人口)が急激に減少しようが、そんなことは関係ないというドラスティックな見方もあります。もはや、人類は抗うことのできない大自然の逆鱗に触れて、後戻り出来なくなってしまったのでしょうか?


何を目的に事業を営むのか?

だからこそ、私は今回はっきりと自分の使命を明確に感じることができました。

それは、人間が尊厳を持って人間らしく生きる社会を創造すること。

持続的で、自然共生の下、Well-Beingで幸福な人間の営みを目的とする。

これが私の事業構築の目的(Purpose)です。


大量生産・大量消費、経済成長優先、株主利益優先、これらの過去の資本主義からはいよいよ脱却しなければならないと感じています。

新しい人間主義的資本主義を模索しながら、新しい風の時代を切り拓いていきたいと意を新たにしたところです。


参考:ブルネロ・クチネリ「人間主義的資本主義経営」



思えば、日本には昔から素晴らしい言葉が残されています。

『吾(われ)、唯(ただ)、足るを知る』

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口(クチ)を囲んで、五(五感)で感じている吾(ワレ)が、

唯一、感じるもの。それは、足元(足りている、充足していること)を

改めて知る(認識する)こと。

必要以上に求めすぎない。無制限に求めない。

つまり、

CAPをする。(蓋をする)

ことが大切なのだと思います。

CAP=CAPACITY(キャパシティ)

考えてみれば、資本主義もCapitalismという言葉で表現されるように、

CAPをすることが重要なのだと思います。

無制限成長を求めるのでなく、有限の世界で足るを知る。


例えば事業においても、売上・利益至上主義ではなく、充足している状態をいかに持続出来るかを考えることで、全く異なる事業戦略に変わってくるのだと思います。


以上、ここまで。

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