アニメ『魔女の旅々』9話感想(ネタバレ有)


こんばんは、胸糞回です。
間違えた星栞カノンです。
今テンションすごい下がってるんだけど、それだけ作品のパワーがすごかったってことだよね⋯⋯
というわけで今回は「遡る嘆き」。
このタイトルセンスは原作のころから正直めちゃ好きでした。
この明らかに救いのなさそうな響きと、シンプルゆえに残された意味解釈の余地。いいよね⋯⋯

でもこんなに力入れて作ってくるとは、ぼくもちょっと思わなくてさ⋯⋯
まずそもそもOP削って『一部刺激的な表現が含まれます』的なテロップ入れてきた時点でもう既に不安だいぶ不安。
まぁ実際内容血みどろだったので、看板に偽りなしってやつだよね⋯⋯

一応簡単に流れを振り返ると、いつもの金欠腹ぺこイレイナさんが一攫千金を狙って薫衣の魔女エステルから怪しい仕事を受けるんだよね。
この魔女もどうやらイレイナに負けず劣らずの天才のようで、多少の差はあれど2人とも若くして魔女になってるみたいだね。世界は広い⋯⋯
しかし切り裂き魔の次は殺人鬼だなんて、ほんと物騒な世の中だねぇ⋯⋯

そしてその仕事というのが、ざっくり言うと過去に戻って親友セレナの両親が強盗に殺されるのを阻止することで、セレナが幸せに生きていくというifルートを生み出す手伝いをすること。
たとえ自分がその未来を見れなくても、どこかで親友には笑っていてほしいのだと。
なんていい人なんだろうねエステル、ぜひ上手くいってほしいね(死んだ目)

というわけで時を10年前まで戻す魔法。
簡単なものならイレイナさんも怪我を治したり物を直したりするのに使ってた描写があるけど、こちらは範囲も遡る時間も桁違い。
そんな魔法よくぞ完成させたよね、なんかそこは流されてたけどやっぱり普通に非凡な才があると思う⋯⋯

ちなみにセレナはそのままほっといたら殺人鬼になってエステルの手で処刑されたそうです。
ロリ殺人鬼ねー、好きな人は好きそうだよねー。
⋯⋯ぼく?ははっ。
やだなぁ、ぼくならもっと上手くやれるよ。


そんなことよりさ、これはぼくも原作読んだ時に「やられた!」って思ったオチなんだけど、過去って、未来って、本当にどこまでも変わらないんだね。
セレナは始めから、両親に虐待を受けていた。
叔父に引き取られて虐待を受けて、そこで初めて狂ったんじゃない。
セレナにとっては両親と暮らしている時点でもう、何もかもが終わっていた。
両親を殺したのはそも強盗ではなくセレナだったと。
エステルが取り戻せると思っていた笑顔も、表向きのまがい物だったと。つらいね。

つまり10年前の時点でセレナは既に血に狂いはじめていて、そこまで遡ったくらいじゃもう止めようがなかった。ずっと騙されていたと過去まで来てようやく知ったエステルは当然激おこぷんぷん丸で、実質2度目のムカ着火ファイヤー。それも国王の命令とかじゃなくてただの私刑。
あんたなんか助けようとしなければよかった、いなくなればいいと嘆きながら、セレナとの楽しかった思い出すらも魔力に変換して。
怒りもあるとはいえ、それがあんなに強大なエネルギーになるんだもん。きっとエステルの中では本当に大きくて、大切な記憶だったんだろうね。
まぁそれもわざわざ過去に戻ってまでもう一度殺すのに使っちゃったんだけどね。笑えない。

そんでまぁ元々過去に戻るのは1時間が限度だったので、イレイナとエステルは無事現在の時間軸に帰還。
でもエステルはセレナのことを忘れてしまったから、直前まで自分が何をしていたのか分からない。
セレナを殺したことも、いつか救うために魔法の研究をしたことも、昔いっしょに遊んでたことも、たぶん全部覚えてない。
そりゃああんな抜け殻みたいにもなるよね、文字通り心に穴が空いたようなもんだもんね。

こんな誰も救われない結末にはイレイナさんもさすがに堪えたようで、約束していたはずの莫大な報酬もそっちのけでその場をあとにするイレイナさん。
珍しく素直に泣いて悔やんでたけど、いいんだよ。
誰も悪くないんだよこんなのは。
だからお願い泣かないで⋯⋯胸に来る⋯⋯
EDも空気を読んでか真っ暗だったから余計つらくなったしさ⋯⋯
なにこの鬱作品⋯⋯

こうなったらもはやチラ見せがノルマみたいになってる筋肉の人でも見て落ち着くしかないよね、いやあれが癒しっていうのはぼくもどうかと思うけど⋯⋯

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