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ひとめぼれ 3 | 夜のカフェテラス

こんにちは。
お立ち寄りありがとうございます。
本日は絵画のお話から。



私は自室である和室に
1枚の絵を飾っています。

美術展のお土産に買った、
B4サイズくらいのゴッホの絵です。
お土産用にプリントされたものでした。

和室なので洋画には不釣り合いで
ゴッホに申し訳ないのですが

美術展で一目見て、
うわわわ、きれい!と思って
とても気に入りました。

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学生の頃、帰省の途中で上野の美術館に
立ち寄ったことがありました。ちょうど、
ゴッホ展が開かれていました。

当時、美術館が好きだと話す友人に感化され
興味が湧いて立ち寄りました。
美術展館に自ら通うこと
なんてあまり無かったのに。

余談ですが、友人の力ってすごいですよね!
親しい友達は色んな感性を共有してくれて
幸せな気持ちになります。
今でもその友達のことが大好きです。


さて。
そんな私が建物の中に入った時、
すでに閉館前2時間を切っていました。
ゆっくり回りたいなーと思ったけど
意外と時間がありません。
大きな展示会なので
少し足早に見て回りました。
ゴッホといえば有名な
「ひまわり」の絵もありました。

そして出会ったのが
大きなキャンバスに描かれた
「夜のカフェテラス」でした。

大きさを具体的には覚えていないのですが、
足場を加えたら、私の身長より
大きかった??…ような。
大きな絵でした。

私は引き込まれるように
足を止めて眺めました。

その絵は、屋久島で悠久の時を生き続ける
太い幹を持った屋久杉のような、
生きているかのような存在感。

時間があまりなくて、
まだ見ていない展示が残っていたので
足を進めました。

そしてもう一度、
「夜のカフェテラス」に戻ってきました。

私は閉館直前まで
その場にいました。


「夜のカフェテラス」は、1888年に
フィンセント・ファン・ゴッホが
南フランス  アルル地方の一場面を
描いた絵画とのこと。

その夜空は黒ではなく
青をメインに描かれたそうです。
確かに鮮やかな青で、
フレームは中の白や黄色の対比がきれい。
オレンジや茶色はあたたかみが増します。

夜空には星がいくつもまたたいていています。
この時代は、街明かりの中でも満点の夜空を
見ることができたのでしょうか。

絵の左側には、オープンな
カフェテリアがあります。
中央には白い服のウェイトレス。
一つ屋根の下、
人の集う場所のあたたかみを感じます。

就職して、お店で働いていた時代、
夜間帯のダイニングのお店づくりは
この絵から感じたことを大切にしていました。

世の中にはたくさんの素晴らしい絵画が
描かれているけれど、私が人生の中で
いちばん大きく影響を受けたのは
〝夜のカフェテラス〟。
寄り道しなければ出会えなかった
私にとっての唯一です。


そんな絵は、友達との縁の先に
ありました。


ひとめぼれする〝何か〟に出会うきっかけ。
身近なことの先や、実はもう自分の手の中で
待っているのかもしれません。


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