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【完結】私の死体を探してください。

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ベストセラー作家、森林麻美は「私の死体を探してください」という自殺と、既に自分は死んでいることをほのめかす内容の文章を自分のブログに掲載した。数日前にけんかをして別荘に来ていた夫…
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#サスペンス

最終回+あとがき「私の死体を探してください。」第37話 ※あとがきにはネタバレが…

「ちくしょう!」  神永進はUSBに入っていた、森林麻美の最後の遺書を読んでからそう独り…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第36話

 神永先輩はご存じだとは思いますが、三島は大変プライドの高い、そして、大変臆病な男です。…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第35話

 卒業とともに結婚生活がはじまることになりました。結婚することになって、まず住むところを…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第34話

 私が三島に隠れてようやく長編を書き上げたとき、とうとう、見せていない小説があることに気…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第33話

 神永進様      神永先輩、今どんな気持ちでしょうか? どんな感情でこのUSBを差し…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第32話

  朝山出版編集部  森林麻美が自殺をほのめかすブログを書いてから一年がたった。三島正隆…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第31話

 麻美がこときれてから僕は麻美の仕事部屋をぐるぐると歩き回った。麻美の死体をどうにかしないといけない。  完全犯罪をめざす。妻殺しの汚名は僕が作家として生きていく未来にはない。  頭に浮かんだのは山中湖の別荘だった。  あそこなら、時間をかけてゆっくりと麻美を処理できる。  一番近い隣家も数百メートルは離れているから、騒音や異臭がしても気づかれないだろう。  地下室で麻美が豚を解体していたのを思い出した。  斧でもチェンソーでも肉切り包丁でもミンサーでもフードプロ

「私の死体を探してください。」   第30話

「もう、全部読んだかな? どうだった?」 「ごめんなさい、正隆さん、ちょっと今忙しいの」…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第29話

三島正隆【5】  池上沙織が動かなくなるまでかなり時間がかかった。火掻き棒で殴ってから首…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第27話

 池上沙織【4】 『白い鳥籠の白い鳥たち』の最終章が掲載されてからすぐに、一人の男が死ん…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第26話

――森林麻美の脳内ストリップ――     森林麻美のオフィシャルブログ    これが白い鳥…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第25話

  白い鳥籠の五羽の鳥たち 【最終章】  高校三年生の春から、彼女たちは日記を共有してい…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第24話   

 僕はイライラしながら久しぶりに麻美のブログを開いた。本当はこんなことに気を取られている…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第23話

  三島正隆【4】  山中湖村は思いのほか雪は降らない。ただ、一度降ってしまうとなかなか溶けない。けれど、本当に怖いのは、雪よりも凍結した道路だ。都内からきた不用心な観光客がノーマルタイヤを滑らせてあわや大事故になんてことになる。  つまり、山中湖村の冬は、雪はさほど降らないが底冷えするような寒さが身に染みるということだ。  やっぱり、暖かいところにするようにもっときつく言えばよかったんだ。  いや、待てよ。伊豆や鎌倉の候補を却下して、避暑地がいいと最初に言ったのは僕