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バイオリニストのドは高め?528Hzの音を弾いてみた(第3チャクラ)

20年以上前のこと。音楽学校の同級生Mちゃんが、バイオリンとピアノのデュオ演奏会へ行った感想を話してくれたことがある。

「おかしいところは何もないのに、ものすごい違和感を感じて・・・なんだろうと思ったら、バイオリニストの音程が完璧なまでに平均律で気持ちが悪かった」

それはそうだろう、と同情したのを覚えている。

現代のピアノというのは、どんな調の曲も弾ける利点はあるものの(そして個人的には好きな楽器だけれど)音程に関していえば、平均に割っているだけなので、美しくはない。

例えば、440Hzと441Hzの音を同時に鳴らすと、ヘルツというのは1秒間の振動数を表すものであるから、1秒に1回、うねりが生じる。10秒弾けば10回分ウワンウワンと鳴るのだが、これをゼロに整えていくのが弦楽器のチューニング。

対してピアノの調律は、あえて「うねり」を残すようチューニングするのが正解だ。

純正律の美しい響きを自ら生み出せるにも関わらず、ピアノと一緒に平均律の音程を取ってしまうと、なんとも言えない消化不良の気持ちになるのは、おわかり頂けるだろうか。

同じ頃、小澤征爾さんの若い人のための音楽会(名称は忘れたが、サイトウキネンオーケストラメンバーによる弦楽四重奏のレッスンと小澤さん指揮の弦楽オーケストラの本番をレッスン代や宿泊食事代が全て無料で受けられるありがたい会)に参加したとき、2000人のお客様の前で実験をしたことがある。

平均律で調律されたピアノで不協和音を弾いたとき、はじめは不快な音が続いても、ある瞬間にふっと軽く感じられるタイミングが生じる。目を閉じて純正律になった瞬間に挙手してもらうという実験をすると、音楽の素養があろうがなかろうが、2000人全ての人が、ほぼ同じタイミングで手を上げたことに驚いた。

美しい音は一点に終結する。だったらそれを、はじめから狙えばいい。

音の試行錯誤を始めた小学2年生のときから、正解もわからぬまま進んでいたわたしにとって、この1件は大いに勇気を与え、その後の指針となってくれた。

それから演奏のお仕事をするようになって20年以上。最近はプロの弦楽器奏者でも、完全な平均律で取られる方のほうが圧倒的に多い。レコーディングなどの仕事の場合、打ち込み音源と合わせることを考えれば、そのほうが無難で、都合が良いのだろう。そんなとき、わたしはこっそり、参加メンバーの音程の方向性から、全体として美しい響きとなる音程を取って、中和させている。

「ゆきちゃんがいると、なんか気持ちいい」

を狙った完全に個人的趣味の話(笑)職人仕事にも、楽しみはないとね。

全ては好みなので、音程の範囲内であれば、各々の判断でどちらでも構わないと今では思っているが、いつも不思議に思うのはドの音だ。精神的にも身体的にもゆとりのない(要は怖い弦楽器奏者の方々です)に限って、ドの音程が高くなる傾向にある。

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A=440Hzとした場合のドは523Hzであるはずなのに、528Hzぐらいまで高くなる場合が多い。

528Hzといえば、第3チャクラと呼応し、DNA修復効果や幸運を呼び込む「奇跡の周波数」と言われている。

なぜ無意識に高くなるのか考えたとき、バリバリの平均律で停滞したエネルギーを、その人の潜在意識が一音で帳消しにしているように思えてならない。やはり

全ての音の終結点は、一点に昇華される。

だからわたしは、わたしの意図をもって、これからも音程を作っていきたい。最後にバイオリンで弾く、第3チャクラの音をどうぞ。

そういえば、ピアノの藤井一興先生は打点の強さを変えることでハンマーを微調整し、純正律の音程を出していました。高校生の頃、公開レッスンで意気投合したのは良い思い出。キテレツで本当にすごい方です。

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