ベートーベンはグラウンディングが要
250年続いたといわれる地の時代を経て、今日からいよいよ風の時代へ突入。折しも今年はベートーベン生誕250年。地の時代の申し子とも言える彼の半生は、過酷なものであった。
2021年4月10日に予定している、私のバイオリンリサイタルの中で、1曲目に演奏するロマンスは、ベートーベン28歳の作品。持病の難聴が悪化し、すでに最高度難聴者となっていた彼が、一体どのような想いで、何を拠り所として、このような優美な曲を書くことができたのか。同じ音楽家という立場で彼が経験した人生を想像した