ED42が心配だ

先日、群馬県の「碓氷峠鉄道文化むら」にて、電気機関車「ED42」の屋外展示が行われた。

この際、屋外への搬出、搬入時に、モーターカーの推進による模擬走行が行われた。

私は、これを知ったとき、非常に喜ばしいことと思っていたのだが、どうも後からしっかりと聞くと、走行成功で万歳とは言えないような状況であったようだ。

このようなものを見ると、安全対策などがきちんとなされていなかったようである。

鉄道車両の保存は、元々コストパフォーマンスなどの点から鉄道マニアの一部からでさえ効果が疑問視されるなど、かなり逆風であったところを碓氷峠鉄道文化むらなどが中心となり、ようやくこのようなイベントを催せるくらいにまで成長させてきたといういきさつがある。

それが、仮に見切り発車なイベントによって事故が起きてしまえば元の木阿弥どころでは済まないことになる可能性が十分にある。

せっかく保存されたのに保存状態が悪くなり解体されてしまう鉄道車両や、博物館施設における展示スペース確保のために解体されてしまう鉄道車両、博物館施設による家族連れの人気獲得戦略やJRの縄張り意識や自治体の無理解などで現役当時とは異なる水玉模様や緑色や水色に塗られてしまう鉄道車両などを目にし、さらに、時には仲間の鉄道マニアからでさえこのようなことを言われてしまうような状況では、先走ってしまう気持ちもわかるが、それで事故が起きてしまってはさらに評判は悪くなってしまう。

今はこのように、クラウドファンディングによって貴重な技術遺産である鉄道車両を解体から守ることもできる。

保存活動に直接携わる人々は、どうか落ち着いてゆっくり確実にその活動を進め、事故の起きないようにやっていただきたいと切に願っている。


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