オレンジカード再望論

日本経済新聞が報じたところによると、JR四国は新型コロナウイルスによる人々の移動の沈静化により、4月期だけで致命的な損失を被ったという。元々体力のない会社であったために、影響がJR各社の中で最も早く出てしまった模様である。

私も昨日、せめてもの支援になればと食料品買い出しのついでに四国管内の乗車券を買ったが、いかんせん持ち合わせから急に思い立って買ったため少額であり、さらに地元であるJR東日本の駅で買っているため、ここからさらにJR東日本へ発券手数料が引き去られる形になってしまっている。

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しかし現在、JR四国は上場もしていないため、私のように四国でない場所に住む人は、あえてこのように乗らないJR四国管内の乗車券を買うくらいしか支援の方法がない。

このようなときにJR初期に存在した「オレンジカード」がまだ発行されていれば話はまた違った可能性がある。オレンジカードは、国鉄時代から発行されていた磁気プリペイドカードで、プリペイド分のプール分やその金利、自社で発行したオレンジカードがJR他社で使用された場合の発券手数料などで、特に体力のない三島会社と言われるJR北海道、JR四国、JR九州の経営を支える役割を果たしていた。また、コレクションとして秘蔵された場合は発行額がまるまる収入となるため、三島会社は特に好んで発行し、郵送による遠距離顧客への販売なども行っていた。

しかし、近年のIC乗車券の普及にともない、オレンジカードは発行が停止され、使用のみが残っている対応券売機で細々とできるのみとなってしまっている。

オレンジカードは以上のような特徴を持つため、自粛期間中でも郵送で買うことができ、自粛明けでの使用分を前払いすることでJR各社の経営へのダメージを抑えることができたはずである。今からでは生産設備を整えることは不可能に近いであろうから後の祭りではあるが、半コレクターズアイテムとしてでもオレンジカードが残っていればJR四国ももう少しダメージを軽減できたのではないかと悔やまれてならない。

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