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イキミミ40


この記事すごくおもしろかった。

3Laとは、ざっくり言うと主に激情系、ネオクラストといったジャンルを扱うレーベル及びディストロ。
(先だって、2001〜2012年に京都で活動していた激情系、yarmulkeのディスコグラフィがこのレーベルからリリースされたばかり。
もちろん素晴らしい内容です。)

パンクやハードコアのフィールドでは、とかく「金儲けは悪」みたいな論調がある。

こういった音楽の性質として、社会を牛耳って支配し搾取している政治や大企業に、徹底的に抗うというスタンスがある。メインストリームに属さず、自分たちで音源の制作や流通、ライブの企画などを行うDIYという思想もその表れのように思う。

そういった背景から、マネタイズは悪みたいな雰囲気があるような気がする。セルアウトみたいな言葉もあるし。

しかしながら、活動を存続させたり、演奏する場所、次の作品なりを作るにあたって資金は少なからず必要になってくるであろう事はワタクシのような1リスナーにも容易に想像できる。
儲けなくてどうする、といったところだ。

昔話になってしまうけれども、すぐ終わるのでちょっとガマンしてほしい。
20年前はCDrで焼いてコピー機でジャケット(と言おうか)を作ったようなバンドのデモ音源を入手するのはとても困難だった。
ワタクシはデモ音源はとりあえずそのバンドの最新情報だと捉えていて、その情報はどうしても手に入れたかったのだけれども、その頃は物販で入手する以外、確実な方法は全くない。運が良ければ限られた店舗(地元埼玉で言えば北浦和ユニオンか熊谷モルタルレコード、北与野の書楽)にあるかも、という感じだった。
Tシャツその他のマーチも然り。

しかし今現在はネットの世界が飛躍的に変化した。
洪水のように流れてくる情報をただ授かるのではなく、自発的に興味のあるものを自らディグっていけばマイナーな情報にも必ずたどり着く事ができる。
サブスクやBandcampで音源は聴くことができるし、フライヤーに取って代わったsnsでの告知。
またYouTubeなりで、演奏する動画は見放題だ。

加えて、baseやstores等のECサービス。こういって良ければ「個人的な流通ルートを敷くためのインフラ」が整っている。
リスナー側にとってみても、容易に金銭的なサポートができる。(サポートしたい理由はもちろん、バンドが解散してしまったり、ライブハウスがクローズしてしまうと自分が困るからだが。)

この状況を利用しねー手はない。

映画「アメリカンハードコア」によれば、80年代から各地のシーンは、遠く離れた場所でも独自のネットワークを敷いて密かにアンダーグラウンドで連携していたというのだから、現在のそういった状況と相性は悪くないはずだ。

とにかく、メインストリームとは全く違う方法でマネタイズを確立していくという抗い方もあるのではなかろうかと、そんな感想を抱いたわけであります。
リスナー側からの回答をするならば、関係者においては積極的にどんどん金儲けしてほしい。金儲けというか正当な対価を手に入れて報われてほしい。
そして我々はできるだけビビットにバンド、レーベル、ライブハウス、ディストロ等のサポートにつながる方法で、カネを払いたいのだ。
どうせなら生きたカネの使い方をしたいという事。
そのためのツールは既に整備されている。

特に耳鳴りを患ってライブに赴く事もままならない自分の今の状況では、ネットを通じてカネを落とすくらいしか参加する方法がない。

以上、耳鳴りとは全く関係ない話でした。

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