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イキミミ43


ついにやってしまった…。

9月の初めにTCIを正式に購入したというのはイキミミ29で述べた通りである。
それからおよそ2ヶ月が経過した。とにかく始終装着しているものだから自然、愛着がわいてくるもので、もしこれがスケボーやギターの如くもう少しサイズの大きな機材であったならば、お気に入りのバンドのステッカーのひとつでも貼りたいくらいのものである。

もう装着している事は普段意識していない。
以前とあるブログで「TRT療法のコツは聞くのをやめる事だ」という記事を読んだ事がある。
ノイズを発する機材を耳の間近に装着しておきながら聞くのをやめるとはコレいかに?と思ったものだが、今となってはすごくよく分かる。

がしかし。
それゆえのTRT療法あるある、「装着したまま忘れて入浴しかける」事件が発生。

その日は地元の温泉クルーと、近郊の羽生温泉、華のゆに赴いていた。
先に感想を述べてしまうとこの温泉、データ的には程近い羽生極楽湯(旧湯ったり苑)と同じような泉質で、未だ知らぬ温泉に遭遇したい、という事について言えばあまり期待もしていなかったのだけれど、浴感は全くの別物なのであった。
俗に言うヌルスベ感が半端ない。
東北道のさらに先、福島は鏡石の弘法不動の湯に通ずるような良湯であった。湯ったり苑よりも炭酸水素塩泉感が強い。

さて、いつものようにまずは掛け湯を頭からザバっといって…。
そう。
ザバっといった刹那にサッ!と血の気がイッキにひいた。瞬間、TCIを装着したままだった事に気づいたからである。
やってしまった…。頭が真っ白になるとはこの事。
すぐさまドタバタと脱衣所に戻り全裸も辞さないまま、せわしなくタオルをあてたりドライヤーをかけまくったりする。
そして祈るような気持ちで恐る恐るそっと耳にあててみると、果たしていつもと変わらず健気に「サーッ」という音を発しているのであった。
よかった…! よかった…!
未だ全裸のまま、その小さなTCIを思わず抱きしめてやりたくなったものである。

というわけで今回は事なきを得たわけなんだけれども、あの時の絶望感たるや。思い出すだにゾッとする。

まあそれだけ意識しなくなったのだとポジティブに捉える事にしよう。が、油断は禁物だ。

今回はそんなTRT療法中の一幕、「全裸TCI救出劇の巻」であった。

それにしてもこのTCI、サイズがデカくなってもいいから防水タイプはリリースされないものだろうか。

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