見出し画像

春の土用

10時頃に公園へ。

向かう前に起きてから身体を動かすように意識する。習慣として根付いていた一日の始まりから変えていく。家事から始めずに、身体を動かすことから始める。身体の状態をみるように、伸ばしながら動かしながら身体を確認する。

動かして、触れて確認することは、身体を認識すること。

触れられた動かされていく身体は、認識されることで実体をもつ。認識されないと、不在している状態のまま。認識されることで、存在することが出来る。実感をもつ。自意識と身体が繋がる。身体の反応が変わり、認識された身体が起きていく。反応しはじめる。これがその日の稽古に向かっていくための準備。

稽古着を選ぶ、稽古着によって踊りも変わる。


もっといろんな稽古着を変えてもいいのかもしれない。

前回稽古場で踊った踊りのはじまりを身体に思い出させる。

思い出させるときは、その時に身を置いている環境を身体に取り込むことで、身体の積み重ねられた記憶と結びついて”像”が導かれる。導かれ、動きがはじまる。


日々過ごして身体にストックされている記憶とその時環境から受け取っている感覚が結ばれて、動きになる。


日々過ごしていくなかで、夜のひとの”像”をつくりはじめてから、夜のひとにイメージが繋がるものを身体にいれつづける。きっと忘れるものもあるかもしれないけど、そのなかで残ったものが、強度あるイメージとなる。忘れることも必要。


そのイメージを重ねられた身体の記憶と、その場を感じる身体が出会ってうまれるものが夜のひとの振る舞いであり、踊りになっていく。
誰かにみられていることを外す。みている誰かをみつけた時に、みている存在を認識する。反応する。


即興で踊った時に生まれたそれぞれの動きは、何かしらイメージが繋がった瞬間に身体が思い出してその時の動きがあらわれる。出そうとして現れると、なぞった動きになる。

そのイメージが弱いものは消える、または現れなくなる。
そのイメージが繋がらなくなった時に、振る舞いが消えて、踊りが止む。

つくる過程で、そこを無理やり続けさせないようにする。
踊った時の感触、触感を記憶する。


踊り始める時の入り口にある気配は、再現できるスイッチは出来た。
昨年つくりはじめた夜のひとよりもふくよかなイメージの層が含まれている。


今回作品制作で言葉を使わない代わりに、日記からイメージボードのみつくることにした。

そのイメージボード自体が、踊りのそれぞれの鍵になるように。
振付制作の時は、あまり外部との関わりで疲れさせないようにすることに気を付ける。胃腸に負担をかけないようにする。刺激を受けたいものを選ぶ。頭のなかの言葉を極力消していくことは、脳の負担を減らしているような感覚があって合っている気がする。小さな細い緊張感を持続させていく。

18 時頃に、もう一度同じ場所で。

朝踊った時に感じた道を辿り、形をなぞるようなものではなく、強いイメージの繋がりを確認した。身体が何を覚えていて、忘れるのか。忘れるものは削いでいく。


一日ごとに異なる場所で踊ることもいいのかもしれない。

踊りがあらわれる、その時のために、一日の流れがその踊りを起こすことになる。細く小さく持続する緊張。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?