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タイ人の給与と転職

 タイ人の給与と転職文化について書いていきます。まずはタイは日本の様な1つの会社で生涯勤務をするという文化はなく、ほとんどの人が転職を行います。うちのスタッフの例を挙げると、現在26歳なのですが転職を5回しておりマックス1年ぐらいしか1つの会社で勤務をした事がない子がいます。日本だとあまりない話ですがタイではよくある事例です。特に20代は転職のサイクルが早く、長くても3年努めると転職を考え始めます。

 その理由として下記が挙げられます。

給与

 タイは給与を転職してあげていく習慣があります。大卒の初任給がおよそ平均して2万バーツ(7万円弱ほど)となっており、毎年昇給があるのですがそんなに上がらないので転職してあげた方が早いという考え方です。日本のような昔の終身雇用といった考えは今も過去も存在せず、辞めていくのが普通です。30代でも結構転職します。40くらいになると流石に減ってくると聞いた事はありますがそれでも日本の比較にならない程多いです。

スキル・経歴

 給与とは別の理由としては自分にスキルをつけたい為に転職をしていきます。色々な業界を見て、経験しておきたいと言って辞めていきます。ある人は大手で勤務をしていたという経歴が欲しい為に辞めていきます。その大手で勤務していたという箔が付く為です。それがあればその後転職の際に役立つという事らしく、転職の為に転職をするという考え方をする事も多いです。

昇進

 次は昇進です。ある程度の規模の組織で勤務していると上が固まっている為昇進ができない為、次の転職活動でポジション付きで条件を出します。結構タイ人にとって肩書きという物は大事でそれがないと勤務なんてしたくないという人々も多いです。王国文化なのか予想とは反して序列を重んじる人々です。

 以上の3つが自分が転職をする子に聞いた理由としては一番多い理由となっています。  

対策  

 もちろんこの習慣は個人の力では変える事ができません。辞める人を止めようとして、仮に辞めるのを止めたとしてもいつかは必ず辞めていきます。なのでこの習慣を前提とした組織づくりをしていく他ありません。社内の誰かに依存して成り立っている組織にタイはなりがちなのですが、いつ誰が欠けても問題がないように体制づくりをする必要があります。

1、業務の仕組み化をする

 タイ人なみならず、外国人と付き合う際に注意しておく事は言った事が全てという事です。日本のような空気を読むとか、阿吽の呼吸などはほぼ存在しないので事細かに伝えて表現しておかないといけません。そうしないと自分が想定していた結果とは全く違った結果が目の前に現れます。汚したら拭く、散らかしたら片付けるとかそういう日本人が当たり前と思っている事をしない事も多々あります。これはタイの人々を否定しているわけではなく、そう言った習慣で育ってこなかったので知らないというだけです。しっかり目的を伝えてあげれば実行してくれるので細かく伝えていくのがポイントです。なのでしっかりと業務を分け、分けた業務のプロセスをマニュアル化してあげる事がお互いにとっていい結果を産むコツとなります。日本の常識は日本でしか使えません。

2、キャリアパスを作る。

 タイ人の退職する理由をアンケートでとった結果、1番は将来に展望が見えないというデータが去年出ています。タイ人が辞める理由にも書きましたがやはり自分のキャリアパスがその会社で見えないという事が転職のきっかけになるようです。タイ人も日本人同様に会社内で偉くなっていきたい人もいれば、部下を持つ事なく自分のペースでやっていきたい人もいます。自分が会社に求めているものと、会社がその人に求めているものが乖離していくと定着しないと思うのでそこはしっかり個人個人と話していった事方が良いです。(自分はできていない。。。)

3、家族的な役割を意識する

 タイは良い意味でも悪い意味でも人間関係が日本と比べるとかなり近いです。日本はどちらかというと社内ではあまりプライベートの事は打ち明けたくないものですがタイ人は家庭・彼氏・彼女などに関してかなりOpenです。聞いてもないのにいろんな情報が耳に入ってきます。誰々が脱毛してるとか、誰々がこんな人とデートしするなど何でも話しますし、誰にでも伝えます。内緒だからとか言っても話してしまいます笑。とまぁこんな感じで結構いろんな事を社内の人間同士で話をしているので、困った事があったらこの人、嬉しい事があったらこの人という感じで社内でお兄さん役がいたり、お母さん役がいたり、お父さん役いたりと言った感じを作るのが大事です。タイも日本も同じだと思いますがやはり人間関係は重要なのでしっかりと自分の役割がどれなのか把握しておいて体制を作っていったが良いですね。日本はこうだからとあまり固定観念に縛られずにその現地の商習慣に合わせていく事が大事ですね。郷に入りては郷に従えです。

4、尊厳を保つ

 タイビジネスのタブーと言われていいるのが怒るという行為です。日本では会社によってはまだ人前で怒ったりする事もあるかと思いますがこれをタイ人に行ってしまうとものすごく落ち込みます。タイ人は基本的にそう言った怒られることに対するメンタルはありませんのでかなり凹みます。日本と同様に最近の20代は怒られて育ちません。親は子を溺愛する傾向にあるので親からも怒られてきていません。なのでタイ人に対して怒る事はNG行為です。ましては人前で怒ったりすればその行為は尊厳を損なわせる行為になるので最悪です。なので怒りを抑えきれない人はしっかりと自分の感情管理できるようになりましょう。さらに良くないのは怒った側も周りからいい評価を受けません。徳が低い人とみなされます。タイの考え方では、問題を起こされた側は問題を起こした人を許してあげて自分の徳を積む・そして問題を起こした側は問題を起こされた側に徳を積ませてあげたという解釈になるそうです。少し理解しがたいですが問題を起こした側も徳を積んでいます笑

 以上の事をしっかりと行ってあげる事が大事かと思います。タイ人だろうと日本人だろうとアメリカ人だろうと同じ人間で基本的な概念は同じなのでしっかりと同じ立ち位置で話をする姿勢が大事です。

あーーーーとか書きながら今月タイ人スタッフ5人辞めるーー笑(年明けは転職シーズンです。なぜならボーナスもらったから!!)

タイ人のドライな感じ日本人にも分て欲しい。

以上です。



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