「シン・りょう」とは何か? (加筆版)配信ライブを見終えて
吉本の芸人、ニューヨークのYouTubeチャンネルでまた異様なムーブメントが起きている。乗り遅れてる人も多くいることだろう。ここで大雑把に概略を説明したい。
(*概略は無料でお読みいただけます)
主人公は「小虎」というコンビの「りょう」26歳である。ぽっちゃり系の男の子だ。
りょうは素人時代からニューヨークが大好きな生粋のお笑いオタクである。単独ライブに行き、出待ちをしてサインを貰うくらいニューヨークのことが好きで、リスペクトの気持ちは芸人になった今も変わっていない。
NSCの24期卒業生で、現在よしもと所属の4年目。32歳の福井とコンビ「小虎」を組み、神保町よしもと漫才劇場を主戦場にしている。
りょうは顔もフォルムもチャーミングでかわいらしい印象がある。ニューヨークからしたら、こんなに可愛い後輩もなかなかいないだろう。ただ、お笑いが好きすぎて独特のこじらせ方をしており、それがややクレイジーな香りを放っている。
事の発端は「シン・りょう エピソード1/虎の反撃」と題されたニューヨークchを見ればわかるが、ざっとこういう事だ。
ニューヨークが仕事で24期の首席卒業のコンビ「金魚番長」と会った時のこと。金魚番長から「りょうが同期芸人から嫌われている」と告げられる。そこでニューヨークのふたりは金魚番長の言葉に怒りすら覚える。「あのかわいいりょうが嫌われているだと?」「芸人同士でバチバチするのは分かるが、りょう一人が嫌われているってどういう事だ!」
早速ニューヨーク屋敷は、24期生による同期ライブをチェック。すると、りょうが同期の芸人から胸ぐらを掴まれている場面に遭遇、仰天する。「これは一体どういう事なんだ?」と、りょうの言い分を聞くのがエピソード1である。
そしてニューヨークchでは、この「りょう」を取り巻く同期の芸人たちを1組ずつ呼び出しては「実際のところ、りょうってどうなんだ?」と問い詰めていく。
それが『シン・りょう』シリーズなのである。
ニューヨークのことが大好きなお笑いオタクの可愛いりょう。だが、証言を得るうち次々と裏の顔が明かされ、困惑と混迷が深まっていく。
知らなかったりょうの新しい一面。真実の姿。真相。「シン」にはそんな意味があると思われる。
取材を重ねる中で、ニューヨークもチャンネルスタッフの誰も想定していなかった意外すぎる「潜入捜査員」の存在が明らかになり、物語は異様な展開を見せることになる。
ここにプレイリストがある。順番に見ていけばヨシ。ちゃんと見ていくと、「潜入捜査員」が登場するエピソード10が猛烈に面白い。
そして、全部見たら、この相関図でおさらいできるようになっている。
これで役者は揃った。
2022年9月9日(金)19:00、彼らは一堂に会す。
主張をぶつけ合うことになる。
これはお笑いライブなのだろうか? 私は今、配信チケットを購入しヒヤヒヤしている。
ここまでが概要である。いわゆる「まとめ」だが、多少は需要があるのではないかと思い、書き殴った。
奥田泰監督にも届いてしまった。光栄である。
ここから私の主観を綴りたい。見る側の気持ちはどう動いたか。
全肯定するわけではないが、少なからずりょうに対して共感を覚える自分もいる。
お笑いとは縁のない番組ばかり作っているアラフォーテレビマンの個人的な思いとして、興味がある方だけお読み頂ければ幸いである。
私もニューヨークと同じように、りょうをかわいい後輩として見たい気持ちがあった。最初はむしろ好感しかない。かわいいりょうが嫌われている事実なんて知りたくない。嫌う奴らはどういうつもりなんだろう。そんな目線が最初はあった。いや、中盤になっても尚、多少その気持ちはあるのだ。
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